「うっわー。こりゃ、ひでーなー。」 「うっわー。す…すげー!」 「はぁー、ずいぶん派手に壊れたなー。」 「ん…んー。今日は疲れた…。」 第二話 おしまい
ウィルは海辺に来ていた。そこで救命ポットを見つけ、見ていたのである。でも、どーやら
ひどい壊れようらしい。
「直る?」
アルスは、ウィルをのぞき込みながら言った。
「部品があればだけど…。この星にあるかだよなぁー。う〜ん。」
頭を抱えながら言った。
「ウィル、自分で直すの?」
っと唐突に聞いた。
「え、そのつもりだけど…なんかまずい?」
ウィルは、アルスの方を向きながら、不安そうな顔で言った。
「いや、まずくないけど、すごいなーっと思ってさ…。」
驚きながらアルスは言った。
「べつにすごくないよ…うちの星では、当たり前のことさ…。」
ウィルはなんだか、悲しそうに答えた。
「へ…へぇー、そーなんだ…。」
それに気付いたのか、アルスはぎこちなかった…。
『ガチャン』
ウィルはメインコンピューターのふたを閉めた。(開けてたの)
「だめだ。部品交換の物がいくつかあって、どれから手を付けていいかわかんねーや。」
かなり焦りが出て来ているのか、天才少年のくせに弱気である…。でもウィルは、天才少年
っといっても、ぜーんぜん自慢もしなければ、えばらないし、性格も良いし、ルックスは
まぁーまぁー。おまけに勉強家ときたもんだ。どこをとっても欠点なんて一つもなし。か
なり良い?天才少年である。
「じゃー街へ出てみよう。良い部品が見つかるかもしれなし。ねっ!」
アルスはにっこり笑って言う。
「あーそーだな。…すぐ直してやるからな…。TリシアU…。」
ウィルはそう呟いて、街へ行く準備のために、一旦アルスの家へと戻っていった。そーい
えば、ウィルが呟いたTリシアUっというのは、救命ポットの音声プログラムの名前であ
る。これが、『軌道が違っています。』っと言っていた正体である。(おぼえてる?)シー
イブル星では、機械を大切にし、いかにも感情があるかのように扱うのが、発明家、もし
くはその機械を扱う人の条件なのである。だからウィルは、その音声プログラムTリシアU
に話しかけるように、せっしたのである。
ウィルは街に出るなり感心した。あまりの高度な文明に、驚きを隠せないのである。なんと
いっても、シーイブル星とは比べ物にならないぐらいすごい技術で、建物、道路、機械、車
などなど、どれをとってもすごいのである。機械専門のウィルとしては、驚かざる、いや喜
ばないではいられないのである。
「お、落ち着いてウィル。変わり者だと思われるよ。」
あんまりにも興奮しているウィルを、落ち着けさせようとした。
「あ、うん…。」
とりあえずは落ち着いた。今のを見れば分かるように、ウィルは機械のこととなると、はしゃ
ぎ出し、かなり無邪気になる。しかも、かなり幼さが残る。
「ここだよ。」
アルスは店の前に立ち、指差した。
「…なんて読むの?」
っと店の看板を指差した。
「あー。これは、パーツ屋。」
そのまんま…。
「ふーん…。」
「とりあえず入ってみよう。」
二人はその店へと入って行った。
「ふーわー、すっげー…。」
店に入ったのもつかの間、そのすごさにウィルは圧倒された。
「見たこともない部品ばっかりだ。」
どの棚を見るなり、物珍しそーな顔して見ていた。
「ウィル。」
アルスはウィルの腕を引っ張った。
「あ、ごめん…つい…。」
本当 我を忘れているっという感じである。
「何に使うのかよくわかんねーな。」
ウィルは一つ一つ部品を手にとり、考えていた。
「おまえさん…この星の人間じゃないね。」
いきなり店員の人が、ウィルに向かって言った。
『ギクッ!?』
「な…お…俺は、ここの人間ですよ。な…何言ってんですか…。」
「隠しても無駄じゃよ…。あれだけの行動を見とれば、誰だってわかるわい。」
「ど…どうしよう。アルス…。」
っと、小声で言った。
「アルスも妙なもんを拾ったもんじゃのー。」
「へ?ど、どうして私の名前を…。」
アルスはびっくりした。
「なんじゃ、わしを忘れたのか?アルス。」
そう言って、店員はレジの所から出て来た。
「あっ!!あーカーシスおじいさん…。」
逆光で良く見えなかったため、わからなかったアルス。
「し…知り合い?」
「うん。安心していーよ。この人は信用できる人だから。」
っとうれしそうに言った。
「はぁー。」
ウィルは少し脱力した。
「久しぶりじゃなーアルス。元気だったか?」
「はい!!元気です。」
にっこり笑って言った。
「そうか。ところで、そちらさんは?」
っとカーシスじいさん、っという人はウィルを見ながら言った。
「あ!俺は、シーイブル星から来た…いや…正確には落ちたですけど…
」
自分で突っ込みを入れるウィル。
「えー、ウィルです…」
「ほう。ウィルというのかね…わしはカーシスじゃ。」
そう言って、手を差し伸べた。
「あ、よろしくおねがいします。」
ウィルも手を差し伸べて握手をした。
カーシスは見るなり言った。っというか、ウィルはリシアを直してもらうのを、カーシスに頼
んだのである。だって、この星の機械を全く知らないウィルが、リシアを直そうものなら、ど
んなことになることやら…。
「直りますか?」
そぉーっとのぞき込みながら言った。
「部品は違うけども、作り方の構造は、どうやら似ているようじゃ。まぁー直らなくはないだ
ろうな。」
っと、さらりと言った。
「そっか…。はぁーよかった…。」
ウィルは安心した。
「ほんじゃ、おまえさん。」
いきなり話しかけられた。
「はい なんでしょう?」
「がんばるんじゃぞ。」
「へ?な…何をですか?」
驚きを隠せない。
「自分で直せ。」
「はい!?そんな…俺には…。」
「自分で直すから意味があるんじゃよ。直し方は教えてやるから、がんばれ。」
気楽そうに言った。
「そんな…。」
「はっはっはっはっ…。」
ウィルは身体を伸ばしながら言った。
「そりゃそーよ…あれだけはしゃげば…。」
アルスはクスクス笑いながら言った。
「そんなにはしゃいでたかな…。」
ウィルは頭をかきながら照れた…。
「さーもう、今日は寝ましょう…。」
「あー。」
そう言って、その日は寝た…。