「シンオウ地方、雪降ったんだって」 11月22日 「………俺の誕生日」 たしかあれには、11月22日の場所にでかでかと赤のハートマークを描き、「Green's
Birthday」と描いた記憶がある。 って、 「え?!あのカレンダー見たの!?見ないでよ!!」 大好きな人が生まれ来てくれた日を、大事だと思うのは可笑しいこと? 「………」 無言。 「…グリーン?」 「…グ…リーン?」 真っ赤。 「…なんでそういうこっぱずかしい台詞を言えるんだ…」 そんなの… 「そんなの決まってるじゃない。…それだけ愛してるもの…」 あたしの今年の誕生日プレゼントは、愛と言葉とあたしと年月。 大好きなあなたに、愛を贈ろう。 11月22日。 2006年11月22日 Fin
くどい!とか言わない。それだけ好きで好きで好きで好きで好きで好きでたまらんねん!!!!!って言うことで。姉さんは兄さんが好きで好きでしょうがないんです!もうほんと大事すぎて大事すぎて、何よりもグリーン。どれよりもグリーン。1にグリーン2にグリーン。34も含めて5にグリーンですから!きっと脳内90%以上は兄さんでできてる気がします姉さん。
TVのニュースが天気を映す。
そんなに今日は寒いって感じなかったけど、そうなんだ…。
「今日は小雪だからな」
「小説?」
あたしは頭に疑問符を浮かべながら聞いた。
「小雪。小さい雪って書いてしょうせつって読むんだ」
「へぇ」
「今日か明日のことをさすんだが、この時期は少量の雪が降りやすいことからそう呼ぶらしい」
彼は仕事を淡々とこなしながら、脳の引き出しを開いていく。
「へぇ。……カントーは今年降るかなぁ」
降ったら雪道デートしたいなぁ。
「さぁな」
ちぇ、夢のない。
「……ねぇグリーン」
少し間をあけ、あたしは彼を呼ぶ。
「ん?」
「小雪以外で、今日は何の日でしょう!」
なんかもう、毎年そうやって聞きそうだ。
彼が日付を確認して言う。
「ぶっぷーはずれーーー。………ん?って……えぇえええ?!グリーンが自分の誕生日を覚えてる!?」
あたしはソファーをひっくり返す勢いで立ち上がった。
「あいかわらずうるさい女だな」
彼はうんざりしたように眉間にしわを寄せる。
「だって、だってグリーンが自分の誕生日覚えてるなんて、前代未聞だわ!?」
去年だって言わなきゃ思い出さなかったし、毎年ナナミさんに言われて気付くって言ってたのに。
「昨日おまえの家のカレンダーを見たからな」
はぁと彼は溜め息をついた。
「カレンダー?」
あたしは自分の家のカレンダーを思い出す。
ということはそれを見たのか。
「…居間のあのわかりやすい部分にあったカレンダーを、見るなという方が無理があると思うが?」
確かにそうだけど…
「…じゃあ昨日の時点で思い出しちゃったの?」
「…そうだな」
ちぇ、つまんないの。
あんなでかでかと描くんじゃなかった。
「…今年も驚かそうと思ったのに」
「去年もべつに驚いてはいないが?」
「…間抜け面は可愛かったわよ?」
にっこり笑顔で仕返し。
「可愛い言うな」
あらやだ恐い。
「えへ」
「えへじゃねーよ。…ったく。…まぁ、今聞かれるまでまた忘れてたけどな」
あたしに向けた怒りの顔を解き、仕事に戻る。
「なんで忘れるかな。こんな大事な日を」
あたし達にとってはとっても大事な日なのよ?
「…大事な日?」
「今日は別名良い夫婦の日!!まさしくあたし達のためにある日だと思わないっ?」
彼の仕事の邪魔をするように膝の上に乗った。
「…俺らはいつ夫婦になったんだ」
「いたっ」
ぺしっと額を叩かれる。
「どいてくれ」
仕事ができんっとぼやく。
っていうかなんで誕生日まで仕事するかなぁ。
「やだ。っていうかあたし結婚式は11月22日にあげたいなぁ。絶対一生結ばれると思わない?しかも11月って晴れの確率が66%もあって、ベスト3に入るんですって!晴れた日にグリーンと結婚式できたらすっごい幸せ。しかもグリーンの誕生日に!」
あたしはうっとりしたような表情で想像を巡らす。
「はいはい、良かったですね」
「もうっ!グリーン冷たい!なんで今年はそんなに冷たいの!?」
書類を取ろうとした手を取り、じっと彼を見上げる。
「…誕生日の何がいいんだ?ただ1年時が過ぎただけだろ?おまえだってそのうち誕生日が来るのが嫌になるぞ?」
「グリーンのは絶対ならないもん!」
自分の誕生日が来るのは嫌になっても、グリーンの誕生日が来て嫌だって思うことは絶対ない。
「なんでだよ」
彼は諦めたように手を下ろす。
「だって、大好きな人が生まれてきてくれた日だよ?大事だと思って何が悪いの?」
また阿呆臭いって怒られるかなぁ。
あたしにとってはすっごくすっごく大事な日なのに…。
「…あたしはグリーンが生まれてきてくれたから幸せになれたんだよ?そんな大好きで大切な人が生まれてくれた日を、あたしは大事にしたいよぉ」
あたしが可笑しいの?
やっぱりただ年を重ねていく日に意味なんてないと思っちゃう?
「……あたしは、少なからず大事にした…っ!?」
あたしは口を手で押さえられる。
「それ以上言うなっ」
「っん…っ」
そんなに言われたくないの!?………って
手がはずされ、言葉が漏れる。
「…っ」
さっきまで口を押さえられていた手は、今度は逆に彼の口を押さえている。
そんな彼の顔は…
彼は絞り出すように言葉を出す。
「っ!?」
ほら、やっぱり可愛い。
「…誕生日…おめでとう」
口元を抑えていた彼の手をはずし、少し熱い彼の唇に、そっとキスをした。
大好きなあなたに、言葉を贈ろう。
大好きなあなたに、あなたを大好きなあたしを贈ろう。
大好きなあなたに、大好きなあなたを愛した年月を送ろう。
あたしが大好きなあなたの誕生日。
ハッピーバースデー。
あたしの大好きな人。
あとがき
今回は、天気予報で22日とはどんな日なのかみたいな話をしていたのでそのまま利用してみました。北海道は雪とか?小雪って言うんですって、今日明日は。へぇって感じ。で、まぁちまたじゃ有名の良い夫婦の日。彼らにぴったりの形容詞じゃないのさ!あははは。まぁでもほんと、この日に結婚したら乙女の夢だろうなぁ。まぁ11月22日の意味を込めてタイトルはそうなりました。
まあでも私的「愛と言葉とあたしと年月と」ってのをタイトルにしたかった。もしくは「大好きなあなた」か「あたしの大好きな人」かな。まぁ去年の誕生日小説とネタが続きになってるんですが、去年はあたしをあげるだったのを、いろいろグレードアップさせた感じですね。それと年月をプラス。一緒にいた時間が1年回ったってことは、それだけ一緒にいたっていう証にもなる。それが姉さんには嬉しいんだよね。だから余計、大事にしていきたいんです。彼女はもう乙女乙女体質だと思うのはあたしだけかなぁ。イベントごととか超重視しそう。クリスマスバレンタインとかすごそうだ。可愛いなぁ姉さん(え)