レブル小説「会いたくて」
 

 

会いたくて

 

彼がいなくなって、一月が経とうとしていた。

鳴らなくなったポケギアを見るたびに、寂しさがこみ上げてくる。
目を瞑れば、あの人の残像が目に焼きついていたような気がしたのは、こないだまでだった…。
耳をすませば、あの人の声を思い出せた気がしたのは、こないだまでだった…。

「…会いたいよ…」
漏らす弱音に、恥ずかしさがこみ上げる。

馬鹿らしい。
そういう相手だと知って好きになったのに。
あたしはこんな、弱い人間なんかじゃないのに…。

「…っ」
寂しく暗い空間に、一つの音が鳴り響く。
「…?」
ポケギアが鳴った音だった。
「…はい」
あたしは恐る恐る声を発する。

 

 

 

 

 

 

『ブルーか?』
「っ!?」

今、あたしが一番聞きたい声。

『…ブルー?』
おーいと彼が呼ぶ。
「タイミングよすぎよ…」
泣きそうな声が、口から漏れる。
『は?』
「……今…会いたいって思った」

 

 

 

なんでそんな、タイミングよくかけてくるかなぁ。
不覚にも泣きそうになっちゃったじゃない…。

『…へぇ、愛だなぁそりゃ』
彼は、あははと笑いながらそんなセリフを吐く。
「馬鹿」
あまりの馬鹿なセリフに泣きそうになったのが止まる。
思わず間髪いれずに突っ込んじゃったじゃない。
『だってめちゃくちゃ愛だろう』
「あのねぇ…」
彼に言葉を返そうとしたとき、家のインターホンが鳴る。
「あ、ちょっと待って」
あたしはポケギアを耳から離し、玄関まで歩を進める。
『愛だよな、ほんと』
うんうんと勝手に頷いてるし。
「待ってって、人が来たから。…はーい!」
がちゃっと扉をあける。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「愛だろ?」

 

 

そこにいたのは、今一番会いたいあなた…

 

 

 

 

 

「…っ!?」
あたしはあまりの驚きに目を見開く。
だって、今ポケギアで電話をしていて、あなたはずっと、ずっと遠いところにいて…

 

 

「ただいま…」
彼が優しく微笑む。
「…」

嘘…
なんで…
どうして…

「ブルー?」
彼が少しあわてたようにあたしを見る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「レッド!!」
あたしは目に涙をためて、ぎゅっと思いっきり抱きつく。
「うわ!?」
彼は倒れそうになりながらも、あたしを受け止めてくれた。
「馬鹿!馬鹿馬鹿馬鹿!!」
ぎゅっと胸に顔をうずめて泣き出す。
「ご、ごめん」
彼は慌てたようにあたしに謝った。
「…っ…」
必死に泣き止んで、涙目で彼を見上げる。
「…ごめんな…」
困ったようにあたしを見返した。

あぁ…この人が大好きだ。
会えなくて、寂しくて、でも愛しくて。
大好きだよ…。

そんな想いを込めて…

 

 

「…おかえりなさい」
最高の笑顔を、あなたに送ろう。

 

2005年10月20日&12月23日 Fin


あとがき

ごめんなさい!!!私は死んでもグリブル信者です(信者って、グリブル教かよ)あはは。まぁなんでレブルになったのかと申しますとですね、自分はそこまでレブルを嫌悪していない点と、「愛だよな」と言ってくれるのはレッドしかいない!と思ったからです。基本的私は姉さんが好きなので、姉さんが主なのはどっちも変わらず。ただ「愛だよな」って言ってくださるのはレッドさんだけだったので、レブルと相成りました。こんな兄さん嫌だからさ。だからべつに深い意味はないんです。お願いですから間違わないでください。ほんの気の迷いなんですよぉお!!!グリブル万歳!
レブルの姉さんはどっちかというと強さが前面に出る人かな。めったに近くにいない分、強く生きなきゃいけないしね。でも心でつながっていられればいいんじゃないかなぁって感じはしますのでね。とりあえずは。弱いけど、でも強さのが表に出てる。そんな感じ。グリブルは弱さが前面にでっちゃってる感があるのですけどね。
まぁ一瞬の気の迷いでした。