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グリブル小説「あなたの好み」
 

 

あなたの好み

 

「あ、グリーンだ」
ある町の通りで、アタシはレッドと一緒にいるグリーンを発見した。
二人で買い物にでもきたのか、修行でもした帰りなのか。

「グリー…」
「なぁなぁ、あの人すごくないか?」
彼らに話しかけようとした瞬間、レッドがアタシに気づかずに、そう言い出す。
「…あーすごいな…」
グリーンもその話に乗り出した。

いったい何の話をしているのか。
彼らが目で追っていた人を、自分も見た。
そこには…

「グリーン!!グリーンってばあーいう人が好みなわけ!?」
がばっと彼の胸倉をつかみ、そう訴える。
「うわっ!?なんだ!」
まぁあたりまえだが、かなり彼は驚いたような表情をした。
「おわっ!?ブルー。おまえなんでここに!?」
レッドも同時に驚いていて。

彼らが目で追っていたのは、すごく綺麗な女の人。
たしか、アロマなおねえさんと言われた部類に入る人だっただろうか…。

「あれならあたしの方がスタイルいいもん!」
あの人よりも絶対胸大きい自身あるわ!
っていうか絶対あたしの方がスタイルいいもん!
「なんの話だ!」
彼は胸倉をつかんでいたアタシの手を解く。
「はっ!?まさか!」
アタシはショックを顔に浮かべた。

もしかして…。

「グリーンってばナナミさん大好きなシスコンだもんね。あーいう清楚な女の人がやっぱり好みだったのね…。そう…そうなんだ…。ううう清楚さなら負けるわ」
一人でぶつぶつとそう言い出す。

清楚さにはさすがに勝てない…。
あのふわふわして、にっこり笑うと周りを和ませるような、アロマなおねえさんの清楚さには、アタシは勝てないわ…。

ナナミさんもアロマなおねえさんみたいに、清楚でふわふわした素敵な女性だものね。
きっとグリーンもあーいうタイプが好みなんだわ…。

「…おまえ、何を勘違いしてるんだ」
彼ははぁと思いっきりため息をつく。
「…え?」
勘違い?
アタシはなんとも間抜けな顔で彼を見上げた。
「…ぷっ…あっはっはっはっは」
今まで黙っていたレッドですら、いきなり笑いだす。
「…え?なんなの?」

勘違い?
どういうこと?
え?

「すごいって言ってたのは、体でも顔でもなくて、匂いの話だよ」
レッドは、笑いすぎて出た涙を拭いながら、そう説明してくれた。

 

 

 

「…は?匂い?」
アタシはさらに間の抜けた顔を返す。
「あの人から匂ってた匂いがすごいなって話をしていたんだ」
グリーンが呆れたようにため息をつく。
「……」
…つまり、女の人の話をしてたわけじゃなくて、女の人から匂っていた匂いの話をしていた…と?

 

 

 

 

 

「お、おかしいと思ったのよね!グリーンが女の人のこと語るなんて!」
くるっと彼らに背を向けて歩き出しながら、そう悪態をつく。

顔が熱い。アタシってばただの馬鹿じゃないか。

「おまえ思いっきり疑ってたじゃないかよ」
レッドがアタシの隣に来てそう突っ込む。
「うるさいわね!!蹴るわよ!!しかもさっきはよくも笑ってくれたわね!!」
思いっきり蹴飛ばしてやろうか。
「うわ馬鹿!!厚底で蹴るな!!痛いんだから!!」
レッドが慌てて逃げ出す。
「ちょっと!待ちなさいレッド!!」
アタシは、そんなレッドを追いかけた。

そんなやり取りをしていた後ろで、口元を綻ばせていたグリーンを、アタシは知らない…。

 

2004年6月11日 Fin


あとがき

何がしたかったのかいまだに謎ですね。なんでこんなこと考えたんだっけ?なんか頭に男って綺麗な女の人見ると振り返るとかいう思考を張り巡らせたからか?そんな理由!?ええ!?まぁあの二人もそんな会話するのかな〜ってところからきたのかもしれない。
本当はイエローもいてレイエにしようかとも考えたが結局グリブルになりました。っていうかレブルな気がしてきた。どうしてこうレッドはうちの姉さんに干渉したがるんですかねぇ。ああ。まぁブルー姉さん総受け万歳で。
まぁ何がそんなにその女の人はすごかったかと言いますと、アロマテラピーって一歩間違えればすっごいくさいじゃないですか。だから「あの人くさくね?」と二人で会話をするのは露骨すぎたので、「すごくね?」って会話にしてもらったわけです。グリーンもそれなら「そうだな」って答えてくれると思ったし。で、ばっちし姉さんに勘違いをおこしてもらったわけで。
どこらへんがグリブルなのよ!!っと突っ込みたいでしょうが、あれですわ。ブルー姉さんが「アタシというものがいながら他の女の話するなんてどういうことよ!」っていうヤキモチヤッキーな部位と、そうやって妬いてくれたことに少し嬉しさを感じているグリーンさんってあたりがグリブルなんです、はい。あはははは。そんな純情物語かこれ!?まぁ下ネタありましたが流してください。っていうか絶対レッドとグリーンはブルー姉さんのスタイルのよさに見慣れてるからそんじょそこらの女共じゃなんとも思わないでしょうね。あああ慣れって怖いわ。きっと色仕掛けじゃ二人は落とせないわね(笑)
馬鹿な話を読んでくださってありがとうございました。あはは。これは沙耶ちゃんに漫画化してもらお〜ともくろみ中。だってうけるじゃない。ちゃんとオチまで考えたのははじめてかも(うぉい)