グリブル小説「どんな」
 

 

どんな

 

「グリーンってさ、めがねかけたら似合うかな?」
あたしはじーっと彼を見上げて、そんなことを言い出した。

久しぶりのデート。
久しぶりの街。
久しぶりのショッピング。
そんな、久しぶりな時間に、ふと思った疑問をぶつけてみた。

「……さぁ」
そんなの知るか、とでも言いたさげに、彼は単調に答える。
「試してみようか…」
にやり、と表現すると正しいかも。
「……何をだ」
あからさまに嫌そうな顔。
「これを」
にやりと笑ったまま、たまたま通ったメガネ店の前で立ち止まり、1つのメガネを手に取った。
「………はぁ」
あ、ため息。

グリーンのため息は、諦めの証。
諦めの証は、OKの合図。
じゃ、試してみましょうか。

「…うーん」
いまどきのメガネ。
インテリメガネ。
フレームなしに、どぎついフレームつき。
いろんなメガネをつけてははずし、つけてはじっと見てくすりと笑ってみたり。
しばらくそんなことを続けた後、

「…似合うようで、でも、なんか不思議ね…」
と、ぽつりと呟いた。

見慣れないからなんだろうか。
ある意味、オーキド博士の跡を継いで、研究者みたいな立場になったなら、白衣を着てメガネ、なんて王道が似合いそうな気もしないでもないけど、今みたいに、最年少、トキワジムリーダーなんてやってるんだと、ちょっと不思議な感じを覚える。

「…はぁ。気は済んだか?」
遊ばれるだけ遊ばれた彼は、大きくため息をついて、かけてるメガネをはずそうとした。
「…でもあたし…」
彼の動きを止めるように、言葉を吐く。

似合うようで、それでいて不思議。
でも…あたし…

「は?」
なんだ、と言おうとする彼。
「どんなグリーンも大好きよ」
にっこり笑って、想いのままを伝えるあたし。

結局はそこなの。
どんな服を着ていても、どんな考えをしていても、どんな肌の色でも、どんな言葉を喋ろうとも…あたしは、グリーンが、大好き。

嬉しそうに微笑んだ後、ここがどこかも忘れて、想いのままに体を動かす。
そっと彼の広い肩に手を乗せて、精一杯な背伸びをして、彼の顔が視界いっぱいに広がって、あたしの唇がぬくもりを得る。

「…っ!?」
彼の真っ赤な顔が、視界の中に小さく収まった。
「あ。1つ分かった。メガネって、キスのとき少し邪魔かもね」
なんて、笑顔で言うあたしに、
「っ!?こっの、あほ!!!」
と、真っ赤になったままの彼は、メガネを元に戻しながら、あたしに怒った。

 

2005年5月23日 Fin


あとがき

なんでか人種問題が関わってきてしまった。なして?そんなつもりはぜんぜんなく。
メガネって、シゲルには似合うんですけどグリーンには似合わない気がするのはなんでなんでしょう。同じ顔のくせに(こら)
っていうか、ここ最近書く話は毎回短くて切ない。長い長い話が書きたい。終わらない、先の見えない、でも終わり方は決まってる、そんな長い話が書きたいのはなんでだろう。昔は10ページなんてあたりまえで、短い話がかけないかけない言ってたのに。なんだろうな。昔はこれが書きたいと思って書き始めていたからかな。今はなんだかすこっと思いついたものをただ文章にしているって感じで。どうにも短いとしかいいようのない話ですいません。こんな話でもお気に召していただけたならいいなと思う(無理)
なんだっけなぁ、なんでこんな話が浮かんだのが忘れてしまった。たしかなんか、最初はださい服を着ていたグリーンに、コーディネイトをしてあげよう計画だったのに、あれだよ、彼氏改造計画みたいな。まぁ普段兄さんの服を選んでるのはナナミさんなんだろうなと思う。マントなんか着てみたかと思えば、いきなり胸にペンダントちらつかせるいけいけ兄ちゃんな服になって(どんなだ)なんというか、こう、統一性と、彼の個性がまったくねーなーってことでね。なんかそんなことを考えてこのネタを思いついたのに、それがなんでかメガネになって。っていうか最初からメガネはメガネだったような(あたりまえだ)あはは。で、まぁメガネの話だけが形になったってところなんでしょうかね?(きくな)あははは。まぁようは、どんなグリーンだって大好きなんだい!!好きなんだよ!!悪いかこんちきしょう!って感じです(違う)あははは。まぁメガネをつけてキスをさせたかっただけだろ?といわれればそれで終わるんですけどね(死)あはは。まぁ小説かけて楽しかったわ。次回は黒グリーンっていうか裏要素とか含んだ話とかメラんこ書きたい(えーいこのエロ氏め)あははは。まぁ、黒グリーンがここ最近好きだなぁと思ったのでした。