エドウィン小説「元気ですか?」
 

 

夢を見た…。

あいつが目の前にいて、私はあいつに駆け寄っていく。

私があいつに抱きつくと、

あいつは、砂のように崩れ落ちた…。
あいつは、水のように流れ落ちた…。

 

元気ですか?

 

私は崩れ落ちたあいつの欠片を、手に残す。

そのまま地に座り込めば、
それは、砂のようにさらさらと音を立てて、地へ落ちる。
それは、水のようにぱしゃっと音を立てて、地へ落ちる。

私はそれを見ながら、涙を流す…。

地には、あいつの欠片と、私の涙が残った…。

私は暗闇の中、上を向いて呟く…。

「…元気ですか?」

と…。

 

 

「!?」
そこで、毎日目が覚める。
このごろよく見る、そんな夢…。

こんな夢を見て目が覚めた朝は、少し、目尻が熱い…。

 

あいつがここを出て行ってから、すでに3ヶ月近くの時が流れている。
あいつは、手紙や電話のひとつもよこさないから、
今どこにいるのか?
今何をしているのか?
今元気でいるのか?
それすら私にはわからない。
帰ってきたら帰ってきたで、いったいどんなことをすれば、こんな壊し方をするのか分からないくらいの傷で、あいつはひょっこり、何もなかったかのように、私の前にあらわれる…。

人の気も知らないで…。

 

私は、機械鎧に点す油の匂いがする部屋から、勢いよく飛び出した。

こんな夢を見た朝は、いつもこうやって無理矢理体を起こす。
じゃないと、一日中気だるさが抜けなくなるから…。

それに、落ち込んでるなんて、私の性格じゃないもの。
何より、あいつのせいでこんな気持ちでいるなんて、そんなの悔しいから。

だから…

 

 

「おっす」

なんて、変わらずに現れたあいつに、思いっきりスパナをぶつけてやるんだから。

「いって!?何すんだよ!」

それで、あいつが夢のように消えてしまわなかったら、その時は思いっきり抱きつくの…。

 

だから、早く帰ってきなさいよ…。

あんた、今どこにいんのよ…。
あんた、今何してんのよ…。
あんた、今、元気でやってんの?

「まったく…」

そんなことを考えながら、スパナを握る手に力を込める。
それと同時に、口元を緩ませた…。

 

 

夢を見た…。

あいつが目の前にいて、私はあいつに駆け寄っていく。

私があいつに抱きつくと、

あいつは、砂のように崩れ落ちた…。
あいつは、水のように流れ落ちた…。

私は崩れ落ちたあいつの欠片を、手に残す。

そのまま地に座り込めば、
それは、砂のようにさらさらと音を立てて、地へ落ちる。
それは、水のようにぱしゃっと音を立てて、地へ落ちる。

私はそれを見ながら、涙を流す…。

地には、あいつの欠片と、私の涙が残った…。

私は暗闇の中、上を向いて呟く…。

「…元気ですか?」

と…。

 

そして、今日はその夢が、少しだけ違っていた…。

「元気ですか?」
その言葉のあとに、泣いている私はこう呟いた。
「…私は元気です…」
と…。

 

2003年10月27日 Fin


あとがき

エドウィン。あははは。書いちゃった。だって思いついちゃったんだも〜ん。ドリームで書くにはちと使いづらいネタだったしね。しょっちゅう居ないって言ったらエドしかないじゃ〜んってわけで。本当に強いウィンリィをあらわしてみたかったのですが、本心はどこか弱く、寂しがっている彼女を表現できればよかったなと思います。夢は自分に一番正直に、ことを伝えてくれますからね…。寂しいと思う夢を見る。でも悔しいから強くエドを待ち続ける。そんなウィンリィが私は好きだ〜。
ってか漫画も1、2巻しか読んでないのに〜。アニメでもOPにしか出てないのに〜なんで書けるかな。いかにエドウィン、ロイアイを読んでるかですね。でもロイアイはかけない(汗)とりあえずエドウィンってわけでね。あははは。このごろパロディー系の小説はぜんぜん大丈夫になってきちゃいましたね〜。昔はどんなにネタが思い浮かんでもかけなかったのにな〜。まぁドリームの力なのか、私が何か吹っ切れたのか。なんでしょうね〜。あははは。まぁとりあえずエドウィンでした。
授業中に仕上げました(笑)確認含めて1時間もかかってないかも(爆)あははは。