グリブル突発小説
 

 

「………はぁ」
吐く息は、さっきから溜め息ばかりだ。
「どしたの?」
ソファーの上に座って、雑誌を読んでいたレッドが話しかけてくる。
「…いや…」
俺は床に座って、ソファーに頭を預けながら、再度溜め息をついた。
「…あらら」
俺が溜め息をつく原因が分かったのか、レッドは苦笑を浮かべる。
「…寝るか?普通」
この状況で。
「…グリーンの傍なら、それが最高の寝床なんじゃない?」
くっくっと笑い出す。
人ごとだと思って。
「はぁ……。もう少し人目を気にして欲しいし、人の気にもなって欲しい」
こんな状態で眠らないでくれ。
「…もう俺のことは気にしなくていいよ?」
君らが人目を気にせずにいちゃつくことにはもう慣れたよ、なんてレッドは言い出す。

俺がレッドと話をしていたときに、いきなりやってきたブルー。
事もあろうにいきなり抱き付いたあげくに、人の話も聞かずにずっと抱き付いたままで、正直困った。
はがそうにも離れやしないし、文句言おうにも聞いちゃいない。
何か言葉を言おうとすれば、

「大好き」

と言葉に遮られる。
言葉を言うたびにそう返されては、黙らざるおえない。
近くに別の奴がいるのに、なんでこいつは平気でそういうことを言えて、人に抱き付いたままでいられるんだろうか。
しかも、あげく寝やがって。
ずっと抱き付かれた状態のままから寝られたら、それこそ俺は動くに動けないし、近くで寝息立てられちゃ、それこそ何もできない。

「…頼むから気にしてくれ」
おまえも、こいつも。
「あははは。気にしたらブルーがブルーじゃなくなっちゃうぜ?」

たしかに……。
でも、

「…はぁ」
これじゃ心臓がいくつあってももたんぞ。
「…しっかし、幸せそうに寝て。…よっぽど、グリーンの傍が幸せなんだな」
「……」
そんな笑顔で言うなよ。
くそう、絶対楽しんでやがる。
「つーか見んな」
こいつの寝顔を。
「はいはい」
また笑ってやがる。
ちきしょう。

2006年6月20日 Fin

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