「…グリーン?」
机に突っ伏した彼を見る。
「…」
「ね…てる?」
聞こえるのは規則正しい寝息だけ。
「…うわ、珍しい」
やだ、どうしよう、かわいい。
あたしは緩む口を押さえながらその寝顔を食い入るように見る。
珍しい。
グリーンが、あたしが入ってきたのにも気づかずに寝てるなんて。
何よりうたた寝が珍しい。
「…疲れてる?」
そっと囁く。
あ、まつげ長いなぁ。
さすが、騒がれるだけの顔してるわよね。
しっかり整ってて綺麗で…。
うわ、肌超綺麗。
女のあたしから見てもそう思えるって、くそう、うらやましいじゃない。
髪も綺麗だし。
唇も柔らかそうで…
「…んっ」
「いっ!?」
しまった。
無意識に触っちゃった。
「…ブルー?」
「あ、いや、違っ…あの…」
なんだか妙に恥ずかしくなって、顔に熱が集まって…。
起こしたことが申し訳ないけど、何より今は恥ずかしさの方が勝ってて、声が出てこない。
「…真っ赤だぞ?」
にやりと笑われる。
「っ!?なっ、何にもしてないもん!!!」
あたしは慌ててその場を逃げ出す。
自分で何かをしたのだとばらしたことに気づくのは、ここからだいぶ走ってから。
2006年11月26日 Fin
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