いつもの時間 肌寒い冬は、別に嫌いじゃない。 「やっぱりここにいた」 ここはおじいちゃんの研究所の庭にある、小高い丘の上だ。 「っていうかなんでおまえがそんなことを知っているんだ」 「ちょっと!!何電話しようとしてんのよ!」 「…ここ、寒いけど…でも…あったかいね…」 2005年12月20日&25日 Fin
こういう兄さんってありですか?ダメですか?そうですか(死)あううう。なんかこう、恋人関係じゃなけど、兄さんが好きになってしばらくたってからの話です。これからどんどん近づいて、何かあって恋人同士になると思います(笑)なんかこう、あぁもうこいつのわがままを聞いてやれるようになってしまったっていう抵抗が少しあるような、もう諦めてしまっているような。そんな微妙な葛藤の狭間な兄さんでした(笑)
日陰は寒いが、日なたは暖かいものだ。
今日も今日とて、吹く風は冷たいけれど、降り注ぐ日の光は、暖かかった。
今日も今日とて、聞きなれた声が聞こえる。
暖かさに目を瞑っていたが、誰か分かったために、無視を決め込んだ。
「……ナナミさんが心配してたよ」
「っ!?」
俺はがばっと起き上がる。
「うふふ」
「…っ」
こいつ…寝てるのをいいことにキスしやがった。
「グリーンって暇だといつもここにいるね」
辺りを見渡す彼女。
ここには凶暴なポケモンはあまりこず、小さいポケモン達が日向ぼっこに来るような場所だった。
静かに本を読んだり、疲れた体を癒すには、風に吹かれる草の音だけしか聞こえないようなここが、俺にはちょうど良かった。
ここ最近毎日のようにこいつと会ってる気がする。
どこへ行くにもどこからともなく現れて。
なぜ俺のいる場所が分かるんだ。
「え?だってあたし、グリーンのストーカーだもん」
「……」
「ちっ」
俺がポケギアを手に取り、警察に電話しようとしたのを、ブルーに止められた。
「もう、冗談よ冗談。まぁあながち間違ってはいないけど」
「…」
「待って待って!!」
あ、ポケギアを盗られた。
「っていうか俺が暇だとなぜ分かった。あげくなぜここにいると分かった」
常に俺の予定を把握してるのか?
あげく場所まで知ってるってほとんどストーカーと変わらない気がしてきたぞ。
まるで秘書みたいだな。
「……」
彼女は黙り込んで俺から視線をそらす。
「はぁ」
やってることはストーカーと変わらないぞ?
「……だって…会いたいって言っても会ってくれないでしょ?電話したって出てくれないし。だからってジムで仕事してる邪魔はできないし。だったらどの時間なら平気とか、どの日ならここにいるとか、知っておかなきゃ、話もできないじゃない…」
ばつが悪そうな顔をして、肩を落として俯く彼女。
「……」
「好きな人に会いたいって思ったり、話をしたいって思ったらダメ?」
「…っ」
泣きそうな顔で見上げられては、もう何も言えまい。
まぁ、こうやって暇な時間に会ったりするのは、もう今となっては当たり前になってしまった。
こうやって話す時間が、俺にとっては当たり前にある、いつもの時間なのだ。
今更なくなっても、逆に変な気分になるだけか…。
「……グリーン?」
泣きそうな顔で俺の顔をじっと見上げる。
「……はぁ…勝手にしろ…」
っていうか……俺はこいつに甘いなぁ。
「…っ…良かったぁ」
彼女が嬉しそうな顔で微笑む。
「…ふぅ」
それで、あぁもうどうでもいいやと思ってしまう俺は馬鹿だな…。
「あ、そうだ!グリーンお弁当作ってきたの」
「はぁ?」
なんでいきなり。
「グリーンよくこんな寒いところで寝てられるね?もう13時だよ?ナナミさんがお昼になっても帰ってこないんだけどって心配してたよ?」
「……もう13時か?」
俺は思わず時計を確認する。
時計はすでに、13時なんてとっくに過ぎていた。
「…ここ最近仕事やチャレンジャーが立て込んでたもんね。はい、お疲れ様」
水筒から煎れた温かい飲み物を差し出される。
「……どうも」
もう、なんでそんなことを知ってるんだとかは突っ込むまい。
彼女が空を見上げれば、冷たい風が、彼女の髪や草を揺らす。
「…あぁ」
彼女が作ったサンドイッチを口にほおばる。
腹が減っていたのか、妙においしく感じた…。
あとがき
これって私のグリブルとしては異例な感じなので、受け入れられるか心配ですが、RALUKU様に見せたら「これは私じゃあたりまえなんだけど」とか言われてしまったので、案外大丈夫そうな気がします(笑)まぁだめだったらすいません。OKだったらうれしいです。