この小説は、本誌のネタバレを含みます。良い方のみ読んでください。
まぁ関係ないと思って読むのもまた一興ですが。妄想文として。
リストバンド 「…ブルー」 「……負けるなよ」 俺は、彼女に言葉がしっかり届くように、そう告げた。 「…」 彼女が驚いた表情をした後、うれしそうに微笑み、「馬鹿」と言った言葉は、俺に届かずに風に消えていく。 2006年10月13日 Fin
ふと思いついた話。本当は絵にしたかったのに、絵にできない自分が恨めしい。くそう。いいもん、代わりに荻野さまにリクエストしたから。いいんだもんっ。ふんっ!!
親と別れ、歩き出した彼女を呼び止める。
「なぁに?」
さっきまで浮かべていた涙はどこへ消えたのか、いつもと変わらない表情が、俺に振り返った。
「…リストバンド」
そう言って、俺は自分の紫色のリストバンドを外す。
「リストバンド?」
彼女は不思議そうに問い返した。
「いいから貸せ」
「なんなのよぉ」
彼女はいぶかしげな表情をしながら、黒のリストバンドを俺に渡してくれた。
「ほら」
「わっ!?」
それを受け取ると、俺は代わりに自分のリストバンドを投げる。
「…何?!」
彼女は驚いたように俺を見る。
「餞別みたいなもんだ…」
俺は苦笑すると、彼女の黒いリストバンドを自分の腕にはめた。
「は?」
彼女は、わけがわからないというような表情を俺に向けてくる。
俺は先に歩き出す。
代わりに、腕にはめられた紫のリストバンドが、それを伝えてくれた。
あとがき
まぁ何がしたかったかって、お互いのリストバンドを交換してほしかっただけです。ただそれだけ。無償にそう思っただけさね。意味はなか。
一番してくれそうなところが、本編の親に行ってくると告げたあのあたりかなって思ったのでネタバレで(笑)
まぁなんというか、これからあることに、一緒に頑張ろう見たいな感じで。親と別れてつらい彼女を少し慰めるつもりでやった兄さんなのでした。
まぁもしかしたら、自分を奮い立たせるためだったかもしれないけどね。決意のためとか。そこは好きにグリブルなり、ブルグリなり創造してもらえればいいかなぁって。うふふ。