負けない! 「あたしなら、どんな障害すらもいとわずに、絶対意地でも会いに行ってやるわ」 「……ずるいっ、たまには会いに来てよ!!」 あたしなら、どんな障害にも負けず、絶対意地でも会いに行ってやる。 2007年7月7日 Fin
あやうく忘れるとこでした。そういや七夕に書きましたねぇ、小説(笑)ここ最近、何を更新してて、何を更新してないのかわけわかめです。
あたしはいきなりそう呟いた。
「は?誰に?つーか何の話だ…」
案の定、彼はわけが分からないという表情を返してくる。
「グリーンに会いに行くって話し」
「今会ってるじゃないか」
こうして一緒にいるのは会うってことじゃないのか?と、理論めいたことを言い出された。
「今じゃなくて。いや、今なんだけど、今っていうか、今日?」
「…は?今日会ってないか?」
彼は頭中に疑問符を浮かべたような顔をした。
「今日は何日?」
「7月7日」
すんなり答えたわね。
「今日は何の日?」
「一般的には七夕と呼ばれる日だ」
どうして機械的なのかしら…。
「七夕ってどんな日?」
「笹に願いをつるすんだろ?去年やってたな。今年はやらないのか?」
あたしが教えた知識だけですか…。
「笹に願いをつるすのはなんで?」
「年に一度会える、織り姫と彦星に願いを託すんだろ?」
去年あたしがそう説明した。
「…そう、織り姫と彦星が年に一度会うの」
「だから?」
彼はやっぱり分からないままだ。
「でも外は曇!」
びしっと窓の外を指さす。
「で?」
「今年も去年も一昨年も、ずーーーっとずーーーっと7月7日は曇なのよ!!」
「それはカントー地方だけだろ?ホウエンやシンオウは晴れだ。だいたいにして、星というのは、雲の上のものであって、こっちが雲ってようが何しようが、実際会うという原理が本当にあってるとするならば、会えてるんだよ」
そういう非科学的風味な、信じてない彼らしい物言い。
「もう!現実主義!」
「会えてる方がいいんだろ!?」
なんで言い争いになってるんだろう…。
「そうだけど!!でもあたしはこんな曇という障害に負けず、まして父親の反対だろうが、周りの反対だろうが、なんだろうが!あたしは物ともせずにあなたに絶対会いに行くわ!!って話しなの」
「なんでそんな話しになったんだ…」
彼ははぁと溜め息をつく。
「ここ1ヶ月まともに会えなかったからっ」
「…仕事だったからで…」
彼はあからさまに目線を反らす。
「そんな仕事にも負けずあたしは会いに行ってやる!!」
「…そうか」
何その返事!!
「ひどーい流した!!」
「別に流したわけじゃないけど…」
彼があたしの押しに負けまいと、あたしを押し返す。
「じゃあ何?」
押し返されたあたしは、少し落ち着いたように、声のトーンを下げた。
「そうやって、お前が頑張って会いにきてくれるなら、俺は安心して待ってられる」
そう言って、仕事に視線を戻された。
一瞬真っ赤になって怯むが、あたしは負けじと言い返した。
「あぁ」
「…」
のに、普通にしかも仕事をしながら返事を返すから、なんだか負けた気分になった。
でも、グリーンにはいろんな意味で、一生勝てないかも…。
あとがき
しかしまぁ、突発的に何かを書きたいと思って書いたわけではないのではちゃめちゃ話だなぁ。イベントごとにしかたなく書こうとする小説はあきませんね。なんかいろいろ浮かんでから書くべきだな。
まぁようは、全ての障害もいとわず、あたしなら毎日のように会いに行くわよ!っていう、狂気的愛でした(ええ)まぁ織り姫なんぞぬるい!!!そんなものに負けずに会いにいけぇえええっていう話しだったわけです。姉さん無茶ですわい。まったく。まぁそういう無茶をなさるのが姉さんだとボクは思うの。
まぁそんな勢いが姉さんにはあるから、なんかもう、あえて俺はなんもせんでもいいかなぁっていう押されまくりな兄さん。でも姉さんが「それじゃやだ!」っていうから、して!と言われたことはちゃんとしてあげるんです。そう、嫌な人なんです(えええ)まぁ結局わがままは叶えてくれるし、自分の想いは受けとめてくれるから、結局なんか負けた気分ひしひし。負けないぞ!!と意気込んだはいいけど、なんか負けた気分じゃん!みたいな意味を込めて、負けない!っていうのがタイトルです。べつにハルカのテーマソングには関係ござーませんよ?