グリブル小説「なんでもない」
 

 

なんでもない

 

「…ブルー」
「なぁに!」
また嬉しそうに振り返られる。
「…」

何がそんなに嬉しいんだろう…。

「グリーン?」
何も答えずにいたら、俺の顔をじっと見上げてきた。
「…いや、なんでもない…」

おまえのその顔で、何を言うか忘れたよ。

「えぇ、呼んでおいてそれ?」
「…おまえだってやるだろ…」

しょっちゅう、用もないのに呼ばれてる気がするのは、俺の気のせいか?

「…あれは、あたしを見て欲しいからだよ」
「は?」

なんだって?

「…仕事や本にばっかりかまけてるからさぁ。たまにはあたしを見てよって」
「…っ」
ぎゅっと抱きつかれる。
「…かまってほしい合図みたいなもんよ…」
そう言って、俺の腕の中でクスクス笑った。
「…」

そう…だったのか…。
確かに、仕事をしていたり、本に夢中になっていると、良く呼ばれていたような気がする…。

「…グリーン」
「ん?」
小さな声に、返事を返す。
「…なんでもない…」
そう言うと、彼女は俺の胸に顔を埋めた。
「…はぁ…」

今日の仕事は後回しだな…。

 

2007年6月22日&28日 Fin


あとがき

そんでこの後兄さんが言うことを思い出して、結局仕事になるというオチ(笑)そう簡単に報われないのがうちのグリブルでやんすよ(笑)いたたまれねーなぁ。あはは。
まぁそんな突発物語。バイトの休憩時間で、漫画も読み終わって他にすることがなくなった5分間に書いた物です。短いにもほどがありますけどね(爆)突発的に思いついた話なんてそんなものです(笑)
きっと、兄さんはこれから、毎度姉さんになんでもないと言われながら呼ばれるたびに、ため息をつきながらも、優しく頭を撫でてくれるやもしれません。あはは。