AIで楽曲を楽器やボーカルに分離する
グリブル家小説「大きくなりました。」
 

 

大きくなりました。

 

「…なんで俺、ここにいるんだろう…」
俺はぼそっと、そう呟いた。

 

「ライムちゃん、これぜんぜんサイズあってないんじゃないの?」
そう言って、持ち出してきたのはライムのブラ。
「うわぁあ!!何してんの母さん!!!」
ライムは慌てて、母さんから下着を奪う。
「せっかくみんな休みだし、みんなで買い物行こっか!」

別に買い物に行くのは構わないけど…

「家族総出で妹の下着を買いに来るってどうなの?」
ここは女性用の下着売り場。
ただでさえもう20代近い俺と、父さんがいるような場所ではない。
「…まぁ、あいつが突拍子もないことを言い出すのは、今に始まったことじゃないさ」
父さんは、半ば諦めたようにため息をついた。

昔からこのテンションだったのだろうか。
年を重ねてもこのテンションなら、若いときはどんだけだったんだろう…。
考えたら身震いした。
レッドさんたちも、相当苦労させられたんだろうか…。

「…ソウちゃん、さっきのよりもう1カップ大きいサイズの頂戴」
試着室から、母さんの声が聞こえる。
「なんで俺に言うの!?店員さんに言ってよ!」
妹とは言え、兄に下着を選ばせるって間違ってるでしょ?!
「父さん何か言ってよ!っていないし!!!」
さっきまでいたところに、すでに父さんの姿はなく。
逃げたな!?くそうっ。
「…す、すいません、後お願いします」
そう言って、俺は逃げるように下着売り場を後にした。
話しかけた店員さんに、無駄に笑われた気がして、余計に恥ずかしくなった。

つーかライムのやつ、コート着てるからずっと貧乳だと思ってたけど、もう1カップでかいサイズって…

「…父さん」
俺はしばらく歩くと、休憩所らしいところで父さんの姿を見つける。
「…よっ」
「よっ、じゃないよ!置いてくとかひどいし!?」
おかげでえらい目にあったじゃないか。
「…いや、そろそろブルーが何かしでかす頃だと思ったからな…」
父さんは本当に、母さんのやることなすことに慣れてしまっているんだなぁ。
っていうか、
「だったら俺も連れ出してよ!」
あんなところに一人残されて、俺が変態みたいじゃないか。
「あははは」
「笑い事じゃないし!」
まったく、この二人は…。
「…はぁ……おまえは?」
「は?」
いきなり話を切り替えられて、一瞬と惑う。
「おまえは何か、欲しいものはないのか?」
なんなんだ突然。
「なんで?」
「…たぶん、この後はライムに似合う服だなんだと選びに行くんだと思うぞ?ライムばっかり買ってもらってたら、おまえは不満じゃないのか?」
手すりに頬杖をつき、俺を見上げてくる。

つまり、ライムばかりいろんなものを買ってもらうのだろうから、不満に思わないよう、俺に欲しいものはないのか?と聞いたということか。

「…別に、19にもなって親に何か買ってもらおうなんて思ってないよ…」
そんな妹ばかりいろんなものを買ってもらったからといって、不満をもらすような年でもない。
「…そうか?子供らしからぬ発言だな」
そう言って立ち上がると、苦笑した父さんは俺の頭を軽く撫でた。
「…っもう子供じゃないよ…」
無駄な子ども扱いに、少しむっとしてしまう。

父さんにはまだ、身長も勝ってないし、バトルでも研究でもなんでも、全部勝てたことはないけれど…。
それでも、もう20歳近い、子供だと言えるほどの年ではない。

「ほんとに欲しいものはないのか?」
再度俺の頭を撫でる。
そんなに言うなら、
「新しいパソコン」
ナナキと作業するのに、より高性能の方が役に立つからね。
「…ほんとに子供らしからぬ発言だな…。もう少し良心的な値段のものに…」
「グリーン!!」
父さんがしかめっ面を浮かべた後、母さんの呼ぶ声が聞こえる。
「…もう終わったのか?」
飛びついてきそうな勢いで現れた母さんを、優しい表情でやんわりと受け入れた。
本当に、母さんの扱いに慣れてるんだなぁ。
「じゃじゃーん!どうだ!!」
母さんの後ろに隠されていたライムを、ぐいぐい押して前に出す。
「……」

正直驚いた。
もう1カップ上のサイズといわれて驚いたが、目の前にいる妹は、それに見合った体系をしていて。

「…コートを着るとわかんないんだけど、これぞ脱いだらすごいわよぉって代物よっ!」
体が細い分、コートを着ると胸の大きさも体の細さもわからない。
だが、母さんが選んだのか、ライムが抵抗なさそうな、ボーイッシュで動きやすい服を選びながらも、しっかりと体のラインが出るものを下に着せている分、コート姿を見たあとその姿を見ると、余計にその違いに驚かされるという寸法だ。
「…っずっと着てろ」
そう父さんがコートを着させる。
「えー!それじゃ意味ないじゃない!」
母さんが文句をたれた。
「この年から肌を露出する必要性はない!」
「えーおしゃれよこれは」
母さんは唇を尖らせる。
「必要ない!」

まぁ、父さんが言いたいこともよく分かるけど。
この姿をオレンジが見たら、どうなるかな。

「…」
俺は人知れず、口元に笑みを浮かべた。

 

2008年1月12日 Fin


あとがき

ソウヤさんの黒さがにじみ出たお話でしたが、ソウヤさんのおばかなところも出たお話でした(笑)ソウヤ視点の家族の様子というわけで、ライムさんがメインのはずなのに、一言しか喋っていないという、致命的ミスです。本当は「ブラってこうやって使うのよ?」っていうブルーの指導のもと、「こ、こんなに寄せてあげるの?」といろいろおどおどしながら下着や洋服を選ぶという話もあるにはあったのですが、ソウヤから見たグリブル家ってわけで(笑)いささかグリブルテイストでお送りしているのは、死んでもグリブラーだから(笑)
しかしこう、いろいろひっかかりそうなことを書きまくりましてすいません。きっと軽くセクハラですよね、姉さん。19歳にもなる兄と15歳の妹っていうなんとも危なげな年齢で、下着云々の話っていいのかって話ですが、なんかもう、姉さんの子供っぽい行動にむしろそういう方向まで考えにいたらず、あのトラブルメーカーをどうしてくれようという状況に、きっとしっかりしている彼らは思ってると思います(笑)年齢は、あたしが書いた絵を元に考えました。源造様が、胸でかくなる設定をいろいろ書いてくださったので、このくらいの年齢のがいいかなぁって思って。無駄にイラストも一緒ですいません。ライムちゃんは流行の服より、動きやすい服を好むかなぁって。でもきっと、可愛い服にも憧れはあって、自分に似合わないから着ないって遠ざけてるといいなぁ。小さい頃は姉さんの着せ替え人形だっただろうに(笑)まあそんなグリブル家でした(笑)
挿し絵を描いてたりはしたのですが、更新は次回で。源造様が書いてくださった挿し絵もあるのですが、それは許可を得てからということで。