遅き春の訪れを 桜が咲いた。 「グリーン」 さっきからこの調子だ。 何よ、何よ、何なのよ! 「…」 むかつくむかつくむかつく!! 「……一緒に居たかったんだもん…」 春が来るということは、あの人と一緒に過ごした時を、また重ねたということだ。 「っ!…ブルー!!」 あぁ、結局絆されてしまうなぁ。 「…………あたし…相手してもらえないと、たしかにつまんないけど…」 でも…でもね… 「でもあたし…幸せだよ?あなたと一緒にいられるなら…あたしは…幸せ…」 あたしの名前を呼んでくれる声が、あたしを優しく撫でてくれる手が、あたしだけを映してくれるその瞳が、あたしの気持ちを、どんどん、幸せな気持ちへと変えていく…。 「……ごめん」 彼の暖かさに、彼のぬくもりに、不安が消えていく…。 「ねぇグリーン…来年も一緒に行ってくれる?」 遅き春の訪れを、桜が舞う中で感じていく…。 2004年4月21日 Fin
えぇーと、光さん、桜散って新芽出てませんでしたっけ?とか突っ込みはいりません(おい)あはははは。まぁ本当は桜が咲き始めたこれをネタとして起こしたときに描いて更新すべきだったんですけどね。気づけばこれを考えてから半月近くたってしまいましたとさ(死)あはははは。まぁしょーがないんです。書ける授業がなかったので(授業中に書くな)あああ。すいません。まぁ結局こないだ書いたグリブル小説と同じ時間に書くはめになってしまいました。あははは。まぁとりあえず書けたので良かった良かった。あははは。とりあえずは何をしたかったのか、思ってたよりもなんだかシリアスのなってしまいました。本当は姉さんは逃げないし、ここまで怒らないで、つまらないけど、一緒にいれば幸せよって話にしたかったのに。姉さん切れやすいなぁ。っていうか超姉さん精神不安定だなぁ。いいのかなぁ。まぁ幸せだって思ってるのは自分だけで、兄さんにはただの迷惑にとしか思ってないのかなぁとか思うと、やっぱり不安になるかなってことで。なんかこう、指が赴くままに、頭が考えるままにできました(死)すいません。まぁキスは規制した。抱き寄せるのも規制したかった。兄さんがおかしい(おい)兄さんはこんな人じゃない。っていうか追いかけてもくれない(ひどい)うちの兄さんはあんまりこう、愛情表現に欠けるので。でも今回は話にならないのでね。とりあえず抱き寄せるだけはしてもらいました。おかしいって思った方すいませんでしたぁ。しかしなぁたっぷり間をあけた意味はなんなんでしょうね(おい)イメージは桜を見上げたイメージです、だから春の風が靡くなんだけど…。うーんなぞ(おい)
ほんの少しの桜が咲いた。
少し遅い、春の…訪れ…。
桜並木を歩きながら、彼の腕に抱きついて、彼の名前を呼ぶ。
「…」
返事なし。
「グーリーンー!!」
「…」
再度呼んでも返事なし。
「もう!!グリーンってば!」
ぐいっと腕をひっぱる。
「…はぁ…なんだ…」
彼は軽くため息をついて返事を返してきた。
「なんだじゃないわよ!あなたの耳はヤドンなの?!」
何回呼んだら返事してくれるのよ。
「そんなに叫ばなくても近くにいるんだから聞こえる」
彼はうんざりというように、顔を歪めた。
「じゃあちゃんと1回で返事をしないさい!」
もうっ。
「はいはい」
「…っ」
もう!!
「桜綺麗だね」
と上を見上げて話しかければ、
「そうだな」
と桜も見ないで、いい加減に答える。
「あんま人いないね」
「そうだな」
見渡すこともしないで適当に答える。
「急に暖かくなったよねぇ」
「そうだな」
どうでもよさげ。
「春だよねぇ」
「そうだな」
あなたそうだなしか言わないの?
「…桜って好き?」
「べつに」
即答。
そりゃ、無理矢理つれてきたのは悪かったと思ってるわ。
仕事中だったのを、「桜が咲いたよ!一緒に見に行こう!」って自分勝手な意見を並べ立てて彼を無理矢理連れ出してきたんだ。
文句の1つでも言われる覚悟はできてる。
でもこんなあからさまな態度ってないじゃない?!
むぅっと頬を膨らませる。
「…」
彼は、そんなあたしの表情を見もしないどころか、見たところでどうでもいいというように、無言で道を歩いた。
「もうっ!!つまんない!」
折角一緒に見ようと思ったのに。
「じゃあこなきゃ良かっただろう?」
はぁとため息をつかれる。
「…っ」
むかっと来た、ぴきっと来た、頭に来た!
「悪かったわね!!」
彼の腕から離れてすたすた先を歩き出す。
そりゃ無理矢理つれてきたのは悪かったけど、わがまま聞いてもらった身で文句なんか言えないけど…。
でも……でもさ……
小声で泣きそうな声でぼやく。
「…は?」
でも、彼には聞こえない。
こんなときでも神様は意地悪だ。
「……っ一緒に、春を見たかったんだもん!!!」
あたしは、そのまま走って逃げ出していた。
だって、その場にいたら、泣きそうだったから…。
春を繰り返すたびに、あなたとの思い出が増えていく…。
あなたと居た時間が長く、多くなっていく…。
そんな春の訪れを、大好きな人と共に過ごしたいと思って、何が悪いの?
そう思うことは、やっぱりあたしの、わがままなんだろうか…。
一緒に居れて、幸せだと感じるのは…あたしだけなの?
「っ!?」
逃げ出したあたしの腕を、彼が掴む。
「いやっ!!やだっ!離して!!」
泣きたくない。
泣いたら…その事実を認めるということだから…。
「ごめんっ…悪かったって…」
「…っ」
彼が、珍しく素直に謝ったことに、あたしは驚きの顔を隠せなかった。
いつもあたしが何に怒ってるかも、分からないのに…。
「…ごめん」
彼が優しく、あたしの髪を撫でてくれる。
悲しいと思っても、寂しいと思っても、こうやって優しさに絆されてしまう。
一緒にいるのに、相手してもらえないのはつまらないというか、寂しくなる…。
いい加減な態度は、そのままあたしへの想いなのか、と不安になるっていく…。
泣きそうな、それでいて嬉しそうに、彼に微笑みかけた。
彼はそっと、あたしを抱き寄せてくれる。
「…」
あたしはそのまま、彼の胸に顔を埋めた。
あたしって単純なのかな?
こんな、彼の一つ一つの行動に、こんなにも怒ったり、泣いたり、嬉しがったり、幸せ感じたりして…。
上目遣いで彼を見る。
「……………………あぁ」
彼はたっぷり間を開けて、春の風に声を靡かせた。
今年も、来年も、ずっと…ずっと…あなたと…共に……。
あとがき