6月1日。
それは、アタシがこの世に生まれた日だ…。
誕生日。
世間一般では、そんな日は友達を呼んでパーティをしたり、親子水入らずで祝ったり、恋人がいるなら共にすごしたり。
そんなアタシは、大好きな彼の元へと、足を運んでいた…。
最高のプレゼント
「今日はアタシの誕生日です」
教えてないから知らないだろうし、期待もしていなかった。
とりあえず彼のいるトキワジムまで赴き、そのことを伝えるが今日の第1目的である。
「…へぇ」
しかし、彼はなんとも間抜けな言葉を返してきた。
本を読みながら返されたその言葉は、どうでもいいのか、聞いてないのか。
「ちょっと!!祝ってよ!!」
「オメデトウゴザイマス」
子供の棒読みだってもうちょいまともに言うわよ?
まぁ彼にそれを求めたところで、しょうがないんだろうけど。
「…何か頂戴よ」
とりあえず言葉は期待できない以上、何か欲しいと訴えてみる。
「…何が欲しいんだ」
とりあえず答えてはくれるところを見ると、話は聞いてくれるようだ。
「え?えーとね」
アタシはそれに気分を良くしたのか、こないだ欲しいと思ったものを頭に思い浮かべていく。
「…うーんと、ブランド物の服とか〜、バックとか〜、あーあと指輪とか?」
なんて冗談めいて言おうものなら、
「ふざけるな」
と真顔で返されてしまった。
もう、ほんの冗談なのに。
「ねぇ、何か頂戴よ〜」
と、甘えたように言っても、
「めんどい」
結局簡単にあしらわれてしまう。
あまりにその態度が気に入らなくて、
「ひっど〜い!!それが彼女に対する態度なの!?」
なんて叫びながら泣きマネをするように、顔を手で覆い隠してみる。
しかし、そんな泣きマネなんか彼に通用するわけもなく…。
「…いつから彼女になったんだ」
と、そんな痛い突込みを食らわされた…。
「あら、アタシがこんなに愛してるのにー」
そう言いながら泣きマネをとき、彼を少し潤んだ瞳で見上げる。
でも…
「あっそ」
と、簡単に流されて…。
「ひっどーい!!もう!!アタシはグリーンの誕生日ちゃんと知ってるのにぃ!!グリーンってばアタシの誕生日なんて言わなきゃ知ろうともしないでしょう!」
アタシは、その態度にむかついて、ぎゃあぎゃあと文句を言った。
しかし…
「…」
ものの見事に無視されて…。
「もう!!恋人同士で誕生日って言ったら絶対なイベントなのよ!!」
結局、アタシ一人が勝手に怒るだけ…。
そう言いながら、アタシは机を叩いた。
「…だから、いつから恋人になった」
その机を叩いた行動が気に食わなかったのか、眉間にしわを寄せた彼と、眼が合う。
「細かいこと言わないの!!」
結構必死に物事を述べているため、それには無理があるだろうと自分でも突っ込みたいが、そこは仕方がない。
たしかに、アタシとグリーンは恋人同士というわけではない。
アタシがただ、「好きだ」「好きだ」と言ってるだけなのは確かだ…。
でも…
「…ふぅ」
彼はそんなアタシの言葉に、ため息をつく。
そして…
「おまえはいいのか?それで…」
と言いながら、アタシの顎を指で持ち上げた。
「…っど、どういうこと?」
そんなことをされたことがなかったから、いきなりの行動に、少々声が上ずる。
「だから、おまえはそれでいいのかと聞いているんだ」
彼の質問の意図が分からない。
「…意味が、分からないんだけど」
結局はそうとしか答えられず、首を傾けた。
「…だから、そうやって、自分で勝手に彼女だ、恋人だと言っていて、それでいいのかと聞いているんだ」
「なっ!?」
アタシはその質問の意図を理解し、真っ赤になって彼から離れる。
だってそれって…
「…何よ!!嫌ならはっきりそう言えばいいじゃない!!」
それって、アタシが勝手に言ってるのにうんざりしてる、って感じに聞こえた…。
おまえはそんなんでいいんだ、と馬鹿にされてるみたいで…。
「そんなに、アタシに彼女だとか恋人だとか言われるのが嫌なら、はっきりそういえばいいでしょう!?」
遠まわしに否定されてるようで…。
なんだか…泣きそう…。
「…はぁ…だからな…」
彼が額を押さえて、そう言い出す。
「何よ!?…っ!?」
腕をとられ、また顎を持ち上げられる。
今度はさっきよりも距離が近い…。
「俺が何も言わないまま、そうやって彼女だ、恋人だと言っていて、おまえはそれでいいのかって聞いてるんだ…」
…だって…答えを聞くのが怖い…。
好かれてる自信なんてない…。
もしかして、嫌われているんじゃないかって思うときもある…。
それが…怖い…。
だから、無理にでもそうだと言っていたいの…。
こうやって、ずっと言っていれば、あなたもいつか、アタシを見てくれるんじゃないかって、勝手にそう思ってるから…。
でも…それは、アタシの勝手な考え…。
「…っ…」
彼の顎を掴んでいる手から逃れ、目線を逸らす。
「…」
そんなアタシの少しの表情の変化に気付いたのか、再度グリーンは、アタシの顎を持ち上げ、そして…
「っ!?」
キスを…
した…。
「なっ!?」
「好きだ…」
「っ!?」
唇を離し、そう言われれば、心がはねる。
今…彼はなんて言った?
…好きだって…言わなかった?
彼から視線を再度逸らし、その場に俯く。
「…まぁつまり、俺の言い分を無視して先に進ませるなって言いたいんだよ」
そうグリーンは言うと、アタシの顔をのぞいた。
「…って、ブルー聞いてるか?……」
「…っ……」
顔が熱い…。
今絶対、アタシ顔真っ赤だ…。
「…」
こんな顔初めて見た、と言わんばかりの顔を、グリーンが見せる。
それがまた気恥ずかしくて、目線だけを逸らした。
「…っ…くっくっ」
そんなアタシの表情がおかしかったのか、いきなり笑いをこらえるように笑い出すグリーン。
「ちょっ!?ちょっと笑わないでよ!!」
恥ずかしさがさらに倍増する。
「いや…おまえもそんな顔するんだな」
相当面白かったのか、まだ笑いをこらえた顔で、顎を持ち上げられた。
「どういう意味よ!!」
恥ずかしいながらも、視線を逸らすと負けたような気がして、きっと彼を睨み返す。
「いや…べつに」
しかし、ふっと、微笑まれた。
「っ…」
そんな顔されたら、余計に顔の熱が上がるじゃない…。
「まぁ、誕生日おめでとう」
そう言うと、よっぽど面白かったのか、まだ笑いをこらえてた…。
「…もうグリーン!!!」
どんな形であれ、あなたがくれた言葉は、アタシにとっての、最高のプレゼント…。
でも、やられたまんまじゃ性に合わないから…
「ねぇグリーン」
顔の赤みが収まり、そう彼の名を呼ぶ。
「…なんだ?…っ!?」
彼が振り向いたと同時に、軽くキスを仕返した。
初めての、アタシからしたキス。
「…グリーンが好き…」
そう顔を離し、至近距離でじっと見つめれば、
「…なっ!?」
真っ赤な顔の、グリーンを見れた。
2004年6月1日&2日 Fin
あとがき
これも最高のプレゼントといいたいんです。はい。あはははははは。まぁ何をしたかったのかと言いますと、真っ赤になって困り果てるブルー姉さんを書きたかっただけです(笑)グリーンがありえないし、ブルー姉さん受けチックだし、いいのかぁ!?よくねぇって感じです。まぁ受けチックなブルー姉さんがここ最近のブームみたいなんでいいや(ええ)しかし彼女19歳なんだってね。えええ。私とほぼ一緒だよ。萌え(えええ)しかしまぁ、なりメしながら書くとごっちゃになりそうでした(汗)ネタおこしたネタ帳があってよかった。でもそれを家に忘れたがために、1日までに間に合わなかったどじ子ちゃんです。はぁくやしい。いいけどね。まぁ1日から書き始めたので問題はないでしょう。
これはHITOMI様が欲しいとおっしゃっていたのでこんなんですが差し上げます。もらってやってください。聖誕祭祝いと一緒ですいません。
この話、じつは1ヶ月前くらいから暖めていて、本当ネタ書いてなかったら忘れてましたね。良かった良かった。最後の終わり方はネタ帳にも書いてなくって、「びみょい(汗)いろいろ試行錯誤してください(汗)」なんてコメントまで書いてある始末。ああもう当時の俺の馬鹿!!!本当はもっとおもしろい話だったんだけどなぁ。あああもう思いついたら速攻書かなきゃ駄目です。ぐふぅ。もう1作あったんですが、またそっちも分からない話で。それはまた今月中にでもお目見えしましょう。では、読んでくださってありがとうございました。ブルー姉さんハッピーバースデー。
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