グリブル小説「素敵な時間」
 

 

素敵な時間


青い、蒼い空に、様々な雲が走っていく。

長い、長い雲の下を走りぬける。
あの上に神殿があったりして。
それともどこかへ向かう移動用かな。
さしずめ、雲の電車かしら。

あ、ホエルオーみたいな形した雲。
空を軽快に泳ぐ魚のようね。

あれなんか、まるで空からつるされてるみたいに違和感のある雲。
そのうち動き出したらどうしようかしら。

あぁ、小さい雲がたくさん散らばってる。
青いキャンバスに落書きしたの?
とっても素敵よ…。

 


「……ルー…ブルー……」
「っ」
空を見上げていたあたしは、はっと我に帰る。
「あんまりぼーっとしてると落ちるぞ」
「怖いこと言わないでよ」
あたしは、彼の服につかんでいた手を、腰に回した。

ここは地上から少し離れた上空。
グリーンのリザードンの背中に乗って、ちょっとした空のデートだ。
そんな素敵な時間の、素敵な景色。

「ちゃんとつかまってろよ」
彼の優しい声が、風に乗ってあたしに届く。

開けた視界があたしを包み、澄んだ空気があたしを癒す。

そして…

「うん」
感じるぬくもりが、やさしさが、声が、存在が、あたしを満たす。


そんな、素敵な時間。

2009年1月23日 Fin


真綾さんのライブの帰りの新幹線の中で、雲を見てたら浮かびました。満たされた活力を何かに生かせないかと思ってやったことがこれかって感じですが、まぁでもそういう満たされる感覚というものは、どんな形であれ、伝えられたら幸いです。え?感じない?それはあたしの文才のなさだ(泣)
まぁほんと単純に空見て思いついただけなので、なんとも短い、A4の紙1枚のストーリーでございます。こういう短い中に、言いたいことをまぜるというのはなかなか難しいことですが、少しでも伝われば何よりです。真綾さん万歳!グリブル万歳!一生幸せでいればいいさぁあああ!!