グリブル小説「トマラナイショウドウ」
 

 

トマラナイショウドウ

 

久しぶりに会いに行ったら、
「疲れたから1時間仮眠をとる。1時間たったら起こせ」
と言われて、そのまま寝てしまった。
「彼女が来たのに、その態度ってなくない?」
と、文句を言おうとしたのに、気づいたらもう寝ていて、あたしの前で無防備に寝顔をさらすから、怒りたい気分はどこかへ消えてしまった。

 

 

「…グリーン」
1時間たって、彼を起こす。
疲れているのなら、寝かせてあげるべきなんだと思う。
でも、律儀な彼は、どうせ自分で起きてしまうだろうし、彼のためを思うのなら、むしろ起こした方がいいのだ。
「…グリーン…」
優しく、優しく彼の耳元に語りかけて、優しいキスを落とした。
「…っ……はぁあ…1時間…たったのか…」
彼は一呼吸おいて、言葉を発する。
「…大丈夫?」
優しく彼の髪を、撫でた…。
「…あぁ…」
そう答えながらも、彼は腕で目を覆い、そのまま起きようとはしない。
よっぽど、疲れてるいるのだろうか…。
「…おつかれさま」
優しく髪を撫でた後、彼の手をどけて、そっとキスを落とす。
「…っ」
「好き…好きよ」
囁く声と一緒に、優しいキスを額、瞼、鼻筋と、顔中に落としていく。
「…ブルー…?」
見上げた彼の緑と、見下ろすあたしの青が交じり合う。
「…好き」
あたしは、そのまま首筋に噛み付くように、痕を残した。
「…っ…おい」
彼は軽く、あたしを睨む。
「…好き…好き…好き……」
「…っ」
そっと、痕をつけた首筋に、指を這わせた。

好き…好き…好きだ…。
グリーンが好き。
グリーンが大好き。
どうしようもなくあなたが好き。
これ以上ないってくらい、あなたが好き。
グリーンが好き。
好きだ…好きなんだ…。
好きすぎて、恐いくらい、あなたを、愛してる…。

「…っ」
その指を、彼の首に絡ませる。
彼の首を、絞めるように、少し力を、入れた…。
「…好き…」
「…っ……」
彼は、一瞬反応を示すと、そのままあたしの行為を受け入れるように、そっと目を閉じた。

受け入れないでよ。
こんな、狂気的な愛。

好きすぎて、あなたのすべてを奪いたいと思う想い。
どうしようもないくらい、抑えきれない衝動。

それを、愛と呼ぶには、あまりにも狂気的すぎる重い想い。
それを、あなたは受け入れるのね…。

でも、失っては意味がないの…。
でも、あたしには止められないの…。

好きすぎて…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

トマラナイ…。

 

「…あなたが死んだら、あたしも死ぬわ…」
「…っ」
腕の力を強めようとしたら、あなたの手が、あたしの腕を掴み、がばっと起き上がる。
「いっ…」
あたしの力とは、比べ物にならない力が、腕にかけられた。
「…わるい」
そう彼は言うと、あたしをぎゅっと抱きしめる。
「……グリーン…」
なんでだろう、心なしか、彼が震えている気がした…。
「…なんだ…」
声は普通なのに、なんでかな…。
「…ごめんね…」
なんでか分からないけど、謝らなきゃいけない気がして…。
「…あぁ」
彼は優しくそう答えると、ぎゅっと力強くあたしを抱きしめた。
「…好き…好きよ…」

あたしの狂気的な愛は受け入れるのに、あたしを失うことは、受け入れないのね…。
そんなあなたも、十分狂気的なのかしら…。

「…好きだ」
そのまま唇を激しく奪われる。

 

 

 

 

 

 

あぁ、あなたに堕ちていく。
どこまでも、どこまでも…。

 

2007年7月3日 Fin


あとがき

うちの姉さんは狂気的な愛の持ち主ですよぉ?そして兄さんも劣らず狂気的な愛の持ち主ですけどぉ。姉さんはそれを表現してるから余計に狂気的になってるだけってのもありますが。兄さんはでも内に潜めてる分、危ない気はします(笑)つーか姉さんのあの狂気的愛を受け容れられるあたり、兄さんの感覚はきっと普通じゃないんだ(おい)
まぁひどいこと言いまくりましたけど、お似合いのカップルでしたって話し。Mさん曰く、兄さん優しい言われた、優しいんだこれ?!へぇ。でもそれがうまく姉さんには伝わらないから、なんだか上手くいかないんだよな。なんだこのすれ違い生活。しっかりおし!まぁこのままいろいろ墜ちるとこまで墜ちてください。どこまでも。