グリブル小説「あなたの腕の中」
 

 

あなたの腕の中

 

「……うーん」
あぁ、画面に向かいすぎて目がやばくなってきた。
そう思いながら、目をこする。
少し、休憩しようかな。
「あんまり無理はするなよ?」
そう思って立ち上がろうとした瞬間に、目の前がコーヒーカップになった。
「……グリーン?」
そのコーヒーカップを受け取ると、彼の姿が目に映る。
「…ふぅ」
彼は一息つき、ソファーに座った。

現在あたしは、マサキに頼まれた仕事をこなしている最中。
大量のデータ整理だ。
もともと機械に強いあたしとしては、こんなもの朝飯前だと思っていたが、さすがマサキが扱うデータ。一筋縄じゃいかなかったわ。

「ふあぁ〜〜」
思わず大あくびをしてしまう。
このちょっと濃いくらいのコーヒーが、胃にしみるわ。
「昨日はちゃんと寝たのか?」
そのあくびにグリーンが突っ込む。
「ん?まぁね。3時間くらいは寝たわよ?」
お肌のことを考えて、まず2時までに寝て3時間で起きたの。
そんなことを言いながら、彼の隣に座った。
「…それは寝たうちに入らないだろう」
はぁっとため息をつく。
「徹夜じゃないだけましです」
そうそう。
「まったく」
再度彼はため息をついた。

でも、そんな生活がすでに3日目に突入しようとしている。
目に来るくらい、そろそろやばくなってきたかも…。

「ふあぁ〜〜」
本日何度目かのあくび。
「…ほんとに大丈夫なのか?」
心配してくれてるのか、じっとあたしを見た。
「……!」
そんな彼を見て、思わずあることを思いつく。
「…なんだ?」
じっと見つめてるのが気になるのか、彼が疑問符を飛ばしてきた。
「…ねぇグリーン」
コーヒーカップをテーブルに置き、ぎゅっとグリーンに抱きつく。
「なっ!?ちょっ、おい!?……」
真っ赤になりながら驚くが、拒絶するでもなく、彼はやんわりと受け入れてくれた。
「……グリーンあったかい」
ぎゅっと彼の胸に顔をうずめる。

あなたの腕の中は、あたたかいね。
この暖かさが、心地いいわ。

「…そ…そうか?」
たじたじになりながらも、優しくあたしの髪を撫でてくれる。
「…うん…」

あぁまどろむ。
この暖かさに、安心できてしまう…。
この暖かさが、あたしを眠りへと誘う。

「ブルー?」
その大きな手が、あたしの髪を撫でるたびに、体の力が抜けていくようで…。
「…もし…寝ちゃったら…30分で…起こして…」
そう言いながら、あなたの腕の中で目を瞑る。

あなたの腕の中は、あたしの大好きな場所…。
あたしだけの…場所…。

「……あぁ」
彼の声が遠い。

駄目だな…。
あなたの腕の中は、心地よすぎて…安心できすぎて…ほんとに…駄目だ…。
ほんとは、寝ちゃだめなのに…まだ仕事が残ってるのに…。
あなたの腕の中は、全てを忘れさせてくれる…。
この幸せが…いつまでも続けばいいな…。

「もしもし?マサキか?おまえこれ以上ブルーに無理させると怒るぞ?」
そんな電話をしていたことを、彼の腕の中で眠りについていたあたしは、知らない…。

 

2004年10月14日 Fin


あとがき

そのあとしっかりと30分後に起こしてくれる、気の利かない兄さんなんです(笑)ちょっと秘話的に。本当はそれも書こうかと思ったけど、なんかおちがしっかりついちゃったので書けなくなっちゃいました(死)あははは。まぁいいけどね。でも私的このおち好き。兄さんがしっかりと姉さんのことを愛してくれてる度がいいじゃないか(えぇ)なんでこの2人が一緒にいるのかは突っ込まないで。おそらくナナミさんがこれを届けてみたいに言われて兄さんが姉さんの家にきて、そのまま居座ってるって感じだと思います。きっと、たぶん(おい)
なんか、ふと風呂に入ってるときに思いつき、学校で書いている阿呆です(笑)あははは。まぁあたしは好きです。こういうの。前に日常的な話を読んだからかなぁ〜。こういう日常っていいですよね。二人好きだわ。あぁ。なんか、こんな日常をおくれるくらい、二人とも心を許しあってるといいなぁって思います。姉さんが「あたしの場所なの」って平気で言えちゃうくらい、グリーンを信用できて、自分が大好きな人を、守れるすべを知っているグリーンっていうような、そんなどこから見ても幸せだねって言えちゃうような二人に、一番なってほしいなぁって、なんか、思います。この2人は。あぁLOVE!