弱くて、強くて
俺は、一度だけあいつの弱い部分を見たことがある。 泣き顔や、おびえた顔なら、ポケモンリーグで見たこともあるが、それ以外のことで、あいつが泣いた姿なんて、想像がつかなかった。 あれは、俺とレッドとブルーが、たまたま同じ場所で野宿したときだ。 暖を取り、見張りを交互に立てて、火の番をしていた。 「いやぁ!?」 大方嫌な夢でも見たのか。と勝手に憶測を立てて、再度目を瞑った。
あのときの俺は、関わらない方がいいと勝手に思い込み、そのままあいつが寝付くまで、放っておくことしかしなかった。 それに、あのときの俺に、何か言う資格はない。
しかし、今ならそれはどうなるか…。 「…」 今、あの時と同じ状況が、繰り広げられている。 ブルーは、あの時と同じように、涙を流す。 俺に何ができる。 過去を知ったって、何に苦しんでるか分かったって、俺には何一つこいつにはしてやれない。 何より、こいつがそれを望まない。 「どうした?」 表面上のあいつは、弱さを決して見せはしない。 人は、あいつを強いと言う。 「ちょっ!?ちょっとグリーン!?」 弱いからこそ、強く見せようとするんだ。 「一人で泣くな」
あのときの俺は、こいつがどうなろうと、知ったこっちゃなかった。 あのときの俺からは、想像できないだろうな。 思わず、苦笑した。 「?」 「ごめん。しばらくこうさせて…」 「いつものおまえって、どんなだ」 いつものおまえっていうのは、強い、と自分に言い聞かせた姿か? 「今のおまえだって、昨日のおまえだって、明日のおまえだって、おまえはおまえだろう…」 弱くたって、強くたって、何も変わりはしない。 「今、俺の目の前にいるのは、ブルー、おまえ自身だろ?」
最初から強い奴なんていない。 俺は、放っておけなくなったのかもしれないな。 俺は彼女を、強く抱きしめ返した…。
2004年3月18日 Fin
ありえな〜い!!あはははは。グリーン兄さん視点ってのがありえない。なんかブルー姉さんをめっさくそ弱くしたかっただけです。うん。ちなみにあとがきの最後にある詩はブルー姉さんの心。本当はブルー姉さんバージョンも作ろうかとは思いましたが、やめました(めんどいから)詩から読み取ってくだせい。はい。まぁしっかしありえないことありえないこと。グリーン兄さんのこんな姿はやめてけれ〜。あははははは。すいません!!!全国のグリーン兄さんFANの方!!!土下座してお謝り申し上げます〜。あああああ。すいません。だって、だって、ブルー姉さんを弱くするためには、兄さんにでばってもらわないと、いけんのです!!!ブルー姉さん視点だと、どす黒い怖い話になるので、あえてグリーン兄さんで、こうなんていうの?昔と違う感情に振り回されている、彼を、書きたかったって方向で。まぁ心の変化?っての?まぁそういうことです。はい(ええ) |
許されたような気がしたの… 今まで、してきたこと全てが… 一人じゃないと、言われた気がして… アタシは、許されるの? ねぇ、教えて… アタシ、今のままでいいの? …アタシは、許されるの? ねぇ…
『一人で泣くな』
ありがとう… |