充電 「…グリーン」 俺は、ジムの書庫にある書物を開いていた。 「グリーン…」 3時間…か…。 「おまえの電池はどんだけ消費が激しいんだ」 彼女は、よく俺に抱きついては「充電」と呟いた。 「…普段は会えないから、ちょっとずつしか消費しないけど、すぐ会えるならすぐ消費しちゃうのよ。ほら、充電しながら3時間電話するみたいな」 いろいろ無茶難題を押し付けたからなぁ。 「…少し休憩でもするか?」 現金な奴だ。 そう思いながら、こうやって甘やかしてるんだから、ダメだよなぁ。 2007年12月26日 Fin
何を思ったんか、RALUKU様とカラオケに行ったときに思いついた話しです。この話事態は前にいろいろ思いついてはいたのですが、カラオケでトイレに入った瞬間「ブルー」って呼んだり、「グリーン」って呼んだりする病が再発しちゃったので、こういうことになりました。トイレから出て速攻書き出したのは言うまでもなく(笑)なんかトイレに入る機会の多い、萌えを感化される場所ってダメですね。カラオケに行くたんびに俺小説書いてる気がします。そんなはずは…。うぬぬ。こんなしょっちゅうぼろぼろ生まれてくるのも考えものですね。
「ん?」
振り返らずに書物に目を通したまま答えたが、再度名前を呼ばれる。
「なんだ?…っ」
俺は顔だけそっちを向けると、思ったより近くにいて、少したじろいだ。
「グリーンこっち向いて…」
「…」
じーっと俺を見上げる彼女を見て、俺は書物を閉じると、それを本棚にしまい、彼女の方を向く。
「…っ…グリーン」
それと同時に、彼女は俺の首に腕を回して、俺にそっと、抱きついた。
「…っ…ブルー?」
俺は慌てて、彼女を抱きとめる。
「…」
彼女は何も答えずに、ぎゅうっと俺に抱きついた。
「…」
彼女を優しく抱きしめ、書庫にある少し古びた時計を見る。
俺ははぁと、ため息をついた。
「…グリーンのそばにいると、消費が激しくなるの」
そう言って、俺の胸に顔を埋める。
「…なんだそれ…」
俺は優しく、彼女の頭を撫でた。
何を吸収してるのかなんて、馬鹿なことは聞かないが、定期的に抱きつかせることを求めてくる。
彼女は、嬉しそうに微笑んだ。
「いや、その例えはいまいち分からん」
俺は軽く、彼女の頭を小突く。
「えぇ、わかってよぉ、愛が足りないぞぉ?」
くすくす笑う。
「意味わかんねーよ」
はぁとため息をついた。
「…好きなのぉ」
ぎゅううっと抱きつく。
「さらにわかんねー」
そう言いながらも、俺は優しく彼女の頭を撫でる。
「…っていうか、仕事多すぎなんですぅ。疲れたのぉ……だから充電…」
「はいはい」
わかってるから、甘んじて抱きしめてる。
「する!!」
彼女は嬉しそうに俺を見上げた。
あぁホント、甘い俺…。
あとがき
こういう、なんていうか、もちつもたれる的な関係っていいと思います。お互いがお互いの助けや支えになってて、それぞれが満足している風景。こういうのが理想のグリブルだなぁって思う。まぁいささか兄さんが、姉さんに甘いですけどね。もう少しなぁと思いながらも、好きだからこそどんどん甘くなっていく。そんな愛があるといい。日常ほのぼの幸せ物語でした。