この気持ちが溢れる前に
「グリーン…まだ終わらないのー?」
目の前に居るグリーンは、数時間前とあまり変わらない量の書類に囲まれて悪戦苦闘している
一気に入ってきた書類の山に毎日仕事に追われているグリーンには遊んでいる余裕はない、おかげでブルーはデートも一緒に出かけることすらもお預け中なのだ
毎日帰る時は一緒と言っても…一週間もそんな状態が続けばさすがに我慢も限界に近づいてくる話で…、さっきからずっと不機嫌そうに部屋の床に座っている。
「見ればわかるだろ…話しかけるな…」
こっちを見ずに言われる言葉
仕事だってわかってる
やらなきゃいけない事だってわかってる
──でもそんな冷たくなくてもいいじゃない…?
こっちもこれでも我慢しているのに
まるっきり分かってくれてないようにあしらわないで
邪険に扱わないで
必要の無い風に言わないで…
「わかった、どうせあたしなんて邪魔なだけだもんね…。消えるから、ばいばい」
こんな事言おうとした訳じゃない、ただ構って欲しいだけ
どこか行こうとする自分を引き止めて欲しいだけ
でも
思った言葉が引き止めた鎖の隙間から滲み出るように止まらない
放っておかないで
引き止めて
傍に居させて\
抱きしめて
心の檻に閉じ込められている言葉を素直に出せたらどんなに楽なのだろう
でも、そんなこと言えない
言って拒否されたら
もう立ち上がれないだろうから…
立ち去ろうにも立ち去れずに背中を丸めて座り込む
あんなことを言ったのに
消えるなんて言ったのに
目の前から消えない私を軽蔑する?
出来やしない事を…って呆れるのかな
こんな言葉で気を引かせているだけだと
そんな私に気づかないで
こんなキタナイ私を見ないで
「お前なぁ…」
どうしようもなくて泣きそうになっていたら、真後ろからグリーンの声が聞こえて、驚く間も無く後ろから抱き寄せられた
「?!」
「甘えるの下手すぎ、構って欲しいならそう言え」
「……っ…そんなこと思ってないからっ」
「嘘つけ…こんな端っこで震えてられたら気になってしょうがない…」
「震えてないわよ!」
「じゃあ泣いてた?」
後ろから掴まれた腕が微かに震えている
泣いてなんかない
泣いてないわよ
じゃあなんで目の前が滲んでいるの?
これは──…
「………いつも煩いくらいに甘えて抱きついてワガママ言うくせに……ほんとにそうしたい時にはできないんだよなお前は」
「…そんなことないわよ…」
「わかってんだよ、いつも構って欲しいって心の中で言ってんだろ?俺には聞こえてる気がするんだよな、なんか知らないが…」
「…………」
「助けて欲しいならそう言え、構って欲しいならそう言え。万能じゃないんだから全部は拾いきれないんだよ…、な?」
涙が零れた
聞こえてたの?
あんな、どうしようもない自分の声を
この人は聞いてくれてたの?
「今は…どうしたい?言ってみろよ」
「…………抱きしめて……っ」
いつもなら絶対言わない
綻びから出てきた本当の言葉
口にした時に、少しグリーンに受け入れられた気がした
そして強く抱きしめられて
囁かれた言葉が嬉しくて
心に沁みる程響いて
また一筋涙が零れた
「好きだ…ブルー…」
RALUKU様にいただきました!!
なんか書いて!!!って言って書いてもらったの。たしかテスト中で、なんか書いてくれぇってかなりやばかった時期。そしたらその場で書いてくださった代物でございます。最高だよ!!萌え萌えだよぉ!!もだえちゃうよぉ!!!今日も新たに貰ったので、また来月(おい)あたりにでも載せようと思いますです。
しかし兄さんが姉さんに気付いてくれたっていうのがみそですよね!もうそこ萌えポイント!みたいな。優しく抱きしめてくれたりとか、好きだって言ってくれてるところが仕事忙しくて構ってやれてないけど、でも愛だけは確かな感じがしてすごくすごくいい感じです。素直じゃない姉さん万歳。いいなぁもう!素敵なんだから!!!(こら)
ちなみにタイトルは私が考えました。なんか長いのがいいなぁって思っていた時期だったので、長いタイトルです。で、まぁ姉さんのこの不安で、泣きそうな、あなたを求める想いが、溢れ出してしまう前に、気付いて。でも気付かないで…。でも…傍にいたい…。そんな思いを込めてのタイトルでした。
本当にありがとうございました。
俊宇 光
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