響く衝動
 

 

「…ようやく帰ったか…」

自分の家に帰るなり部屋に誰も居ない事を確認してグリーンはほっと胸を撫で下ろした。

連日連夜、何かと理由をつけてはブルーが家に泊まりに来ていたので本当の意味で身体が休まる時間が無かった
それに毎日のように目の前で無防備に寝られてはグリーンにとって地獄と言っても良いほどだ、寝込みを襲うなんて真似はしたくないのだから。

しかし今日はブルーが来ない

そうとなれば少しでも多く休息の時間を取ろうとすぐに風呂に入り寝る準備に入る

部屋のベッドに身体を預けると、すぐにでも寝れそうなくらいドッと疲れが出てきた。
いかに自分の身体が休みたがっていたことか
あまり無理はするものではないな…と考えながらも目を閉じる

目を閉じてみると、どれだけこの部屋が静かなのかがわかる
部屋に響く時計の針が動く音、自分の息、電気製品の音に外を通る車の音

(この部屋ってこんなに静かだったか…?)

そりゃあ毎日ブルーが来ていたのだからそれに比べたら静かなのは当たり前なのだが、でもそれとはまた違う。

部屋が静かなのではない
自分が変わったのだ
なんとも思わなかった一人の部屋を
静かだと思ってしまう
なんと言ったらいいのだろう…

 

「…………サミシイ……のか…?」

 

目を開け、部屋を見れば
この部屋はこんなに広かったのかと思うくらい
彼女が居る事が当たり前に思えていたのだろうか?

 

「………………………っ………」

 

なんとも言えない胸の痛みに思わず声が零れる

手を伸ばしても
目を開けても
彼女は居ない

これが逢いたいと言う感情なのだろうか?
手が触れたいと
腕が抱きしめたいと
自分の細胞から彼女を欲しているような感覚
苦しくて心が千切れそうだ…

 

 

 

 

 

 

 

 

ガチャッ

 

ベッドシーツを握り締めて感情をやり過ごそうとしていると、いきなり玄関の空く音がする
何も言わず問答無用で足早に部屋に近づいてくる足音
「グリーン!!もう寝ちゃった?!」
勢い良く部屋のドアを空けたのは
予想の通りブルーだった

「寝てない」
寝転がったままグリーンは受け答えをする

 

目の前に彼女がいる

それだけでさっきの感情が一転して心に暖かい物を感じるのだ

「ブルー…」
おいでおいでと手招きをしてベッドの方に来るように促す

いつもと違う様子のグリーンに少し心配しながらブルーは近づくと
いきなり腕を引かれてグリーンの腕に抱きとめられた

「グ、グリーン???」
突然の出来事にどうしていいかわからない様子のブルーにはお構いなしに、グリーンは力強くブルーを抱きしめる
不思議なくらいに心が落ち着く
何かが染み渡っていくのだ

「グリーン…ちょ、ちょっと……痛いってば、離してよ〜…」
「やだ」

即答で答えられてブルーの顔は赤く染まる

「何?何が起きたの??今日は何か変よ?」
いつものグリーンではありえない行動、言動の連続でブルーは大混乱しているらしい
真っ赤になってこちらを見ている
それを可愛いと思えてしまうのだ

(重症だな…)

「お前が中々来ないのが悪い…」
「あたしのせい?!ってゆうかそれってただ単に…っ」
言おうとした言葉はグリーンの口で塞がれて出てこなかった
「っ…………………」
「もっともっと触れたい」

 

「え…」
「お前に触りたい」

 

「や、やっぱりなんか変よ、熱でもあるんじゃ…」
「十分正気だ」

 

「今はお前に触れたくてしょうがない」

 

ブルーの額にキスをして、猫が懐くように愛しそうに頭を抱きしめる
「愛してる…」
囁くような
心から零れてきた言葉に応えるようにブルーからもキスを返す
「私もよ」

 

 

向き合った二人は
幸せそうに微笑んで
もう一度キスをした

 

 

 

 


RALUKU様からいただきましたぁああ。
メッセしてたときに、「あぁなんかきたぁ!」って言われて「くれ!」って言って貰った物。正確には書けだったかな?あははは。まぁそんな感じでいただけてしまった素敵RALUKU様作品ですぅ!!!もうRALUKU様は絵も漫画も小説も上手くてうわぁああああって感じです(どんなや)
なんだっけなぁ、姉さんが騒がしいから、いなくなったら兄さんどんな反応するかで書いた話しだったような気がしました。9月にいただいた話しなので記憶に薄い(こら)ごめんなさい。
しかしまぁ、兄さんが兄さんが兄さんが姉さんにぞっこんラブ!いいことだぁああ。そんな兄さんうちじゃありえないからね(こら)緑青部屋くらいだったですよ、ほんと。
まじありがとうございました!!!

俊宇 光