AIで楽曲を楽器やボーカルに分離する
離流様グリブル小説「雪降る夜に。」
 

 

 この雪が私の罪のすべてを覆い隠してくれればいいのに…。

 

 

          雪降る夜に。

 

 

 雪は好き。
 積もるほどの雪が好き。
 街のすべてを白く染め上げ、生命の息吹を微かに感じる。
 そんな瞬間がたまらなく好き。

 自分の生き方を悔いたことはない。
 決して褒められる生き方でも、日向を歩いてきたわけでもない。
 私には昼よりも夜が、光よりも影が似合う。
 それは当然のことだったし、今更そんなことを考えても無意味以外の何者でもない。
 そんなことは分かってる。

 それでも願わずには居られない。
 雪が私の罪すべてを覆い隠してくれることを。

 

 

 しんしんしんしん。
 静かに静寂の中を降りしきる雪。
 瞬く間に街を白く染め上げ、人々の犯す罪を許し給う雪。
 けれどその救いの雪が私の上に降ることはない。
 それほどの罪を私は犯し、これからも犯し続けるのだろう。
 大切なものを守るために。
 そして己の尊厳を守るために。

 

 それを悔いたことはない。
 けれどせめてあの人の前では、罪を知らないただの少女でありたかった。
 私の名を呼び、私にあらゆるものを与えようとしてくれた人。

 

 

 

「ブルー?」

 ふと聴こえてきた声に己の浅ましさを思い知る。
 こんな真夜中を当に越えた時間、こんな雪の中にあの人が居るわけないのだから。
 あまりに私があの人を恋しがっているから、幻聴でも聴こえたのだろうとそのまま歩き続ける。
 思いの向くまま。

 

 

「おいっ」

 

 力強い手が私の腕を掴む。
 まるで私をこの世に押し留めようとするかのように。

 

「何やってる。こんな時間にこんな薄着で。
いくらお前でも風邪ひくぞ」

 

 そこに居たのは紛れもなくあの人だった。
 恋しいと思うことすら罪になるのではないかと怯えるほどの人。
 高潔な魂を、それに見合う器に持ち合わせる誇り高き人。

 

「俺の話聞いてるか?」
「グリーン」
「何だ」
「グリーン」
「だからなんだと言っている」
「どうしてここに…?」

 聞くと少し照れくさそうに私から顔を逸らし、この静寂の中でなければ聞き取ることが難しいほどの声で呟いた。

「お前の家に行ったら、シルバーが出掛けたって言うから」

 だから?
 もしかして私を追いかけてくれたと?

 まさかそんな言葉を聞けるとは思わずに、呆然としている私にグリーンはそっと手を伸ばし、頬にそっと触る。
 まるで私が壊れやすいガラス細工であるかのように。

「冷たい…」

 

 自分の両手で私の両頬をそっと優しく包み、私をじっと見つめる。
 普段は決して変わることのない表情や瞳に微かな怒りがあるような気がして私は首を捻る。

「お前には自虐趣味でもあるのか?」

 唐突に意味のよく解らないことを言うグリーン。

「この私にそんなものがあるわけないじゃない。
私はブルーよ?」
「ではなぜ、こんな夜にこんな姿でここに居る?
氷のように冷たくなるまで…」

 ああ…。
 この人は私のことを心配しているのだ。
 私にはそんな価値も権利も資格もないのに。

 

「雪が好きなの。
私の美しさを際立たせると思わない?
純白の中に一人たたずむ美しい女。
…なんてね」

 ふふふ、と笑う私を彼はいつものように嘲うこともせず、見つめ続ける。

 

「誰もお前を責める奴など居ない。
誰にもお前を責める権利のある奴など居ない。
復讐をする権利はお前とシルバーにだけある」

 

 そう言って私をそっと抱き締めた。

 

「だから無理に笑わなくてもいい。
俺には何もできないことは分かっている。
それでもこうやって抱き締め、冷たさを共有することはできる。
これは俺の思い上がりだろうか…?」

 

 

 私は彼の腕の中で、彼の温もりを感じ、人へと戻る。
 涙を流すことはできないけれど、それでも心の奥へと何かが染み渡る。

 

 気がつけば私を避けて降り注いでいた雪が、彼と一つとなった私の上にも舞い降りていた。
 私の罪を完全に覆い隠すことはできずとも、今だけは雪に覆われ私は無垢な少女に戻る。
 そして彼の腕の中で過去を忘れることができる。

 私はいつまで彼の傍に居ることが許されるだろうか…。

 しんしんしんしん。
 雪は降り続け、私と彼の周りに白の帳を築き上げる。
 その冷たい世界で私は人の温もりを知る。

 


霽月蓮 離流様に本当にいただいてしまいました!!!!
ずっと描いてほしいな〜と心の中で確実にふくらんでいた野望が(野望かい)実現したのですよ奥さん!!!見ましたこの作品!!(見たからここ読んでるんだろう)もうもうステキすぎだっちゅーの!!!!!もう普通に送られてきた瞬間画面をひっかく、椅子の上でもだえる、机を叩く、そこら中の物で叩く、大声で歌い出す、手が震えてキーボードが打てない。そんな状態でしたよ、光さんは。声に出して読みながらも気づけば文章のすばらしさに「うわぁ!?かっけ!!!」とか言い出したり。すごすぎです。あのグリーンの「高潔な魂を、それに見合う器に持ち合わせる誇り高き人。」(微妙の覚えたし(死))って表現に私は彼はそんなにかっこいいのか!?とか思わずときめきました。自白します。レッドより好きになりました(死)あははははは。もうもうダメだ!!ここまでかっこよく描かれたらもう惚れるしかない!!!ステキだグリーン!!!
これを私の駄作達を読ませてしまったあげく、ゴミのように増えていくイラストだけでイメージを吸い取ったいうからもう激しく尊敬します。師匠って呼ばせてください!!!まじまじ。本当すごすぎだから。私の作品を見て得たイメージは私の目指すグリブル像なので、もうこういう方の作品はかなりの勢いで大フィーバーです。もうもう本当にどうもありがとうございました!!!!しかも自分雪好きだし。いいなぁ〜もう!!弱い姉さん万歳!!!かっこいいグリーン万歳!!シルバーがかわいくって万歳!!!本当にどうもありがとうございました!!またお願いします(待て)

俊宇 光