離流様グリブル小説「月光」
 

 

月光

 

 

 明るく輝く太陽が沈み、仄かに控えめに照る月が支配する夜。

 何かいつもと様子が違う姉さんが心配で部屋の前に来たのはいいが何を言うべきなのか。
 どんな言葉も姉さんの前では無意味のような気がする。

 

 姉さんが何を考えているのか最近分からなくなってしまった。
 そう。あいつ、グリーンに出会ってから。

 

 薄く開いたドアの隙間からそっと中を覗くと、そこには窓辺に座った姉さんがいた。
 横には月下美人。
 仄かに青白く照る月を見上げ、姉さんの顔に浮かぶのは愁いか恍惚か…。

 

 

 

 その情景があまりに幻想的すぎて御伽噺のように俺をおいて月に還っていきそうだった。
 姉さんの罪は多分美しすぎたことだろう。

 

 

 置いて行かれたくなくて、気がついたら必死に手を伸ばしていた。

 そんな自分があまりにも滑稽すぎてつい、笑いが漏れてしまった。
 どれほど手を伸ばしても姉さん、ブルーには永遠に届かないかもしれないのに。

 ブルーの傍には既にグリーンがいるのに。
 それでも追い求めずにはいられない己が哀れだった。

 

 

「どうしたの?シルバー」

 中途半端な位置に立ちすくんだ俺に気付いたブルーが首を傾げながら、尋ねてきた。
 その表情は「姉」であり、グリーンに見せる顔とは全然違う。
 グリーンにはあらゆる感情がない交ぜになった、けれど嬉しそうな顔を向ける。

 グリーンに対する畏怖。
 何時か終わりが来る未来に対する恐怖。
 人を愛してしまったという罪の意識。
 そして
 それを補って余りある愛しさと喜び。
 これらが一緒になった表情を。

 

 

「何でもないよ、姉さん」

 

 どれほど辛くてもブルーの傍にいるためには「弟」を演じなければならない。
 たとえ心が張り裂ける時が来ようとも、俺はブルーの傍にいることを選ぶだろう。
 何を裏切ったとしても。
 誰に罵られようとも。
 俺にとっての唯一である、ブルーの傍に。

 

 

「その花、月下美人?
綺麗だね。どうしたの?」

 

 そう尋ねると、ブルーは少し頬を紅く染めて微笑んだ。

「グリーンに貰ったの。
あの人がどんな顔でこれを買ったのか気にならない?」

 

 また、グリーン。
 わかってはいる。
 ブルーにこんな顔をさせることが出来るのは、あいつだけだってことは。
 それでも傷つくのをやめることは出来ない。
 俺だってこんなにも愛してるのだから。

 

「いつも以上の仏頂面だろうね。
その場面を見たかったよ」

 自分の心を隠して俺は笑う。

 もし今自分の心を伝えることが出来たらどんなに幸せだろうか。
 だがこの想いはブルーにとって重荷にしかならないことを知っている。
 それを知ってて尚、彼女に想いを伝えることなど出来はしない。

 

 彼女とともに生きるために、俺は自分のすべてを隠して微笑むだろう。
 一番に願うのは、彼女の幸せだから。
 彼女なしでは生きることなど俺には出来ないのだから。

 

 月光が差し込む薄暗い部屋の中で、ブルーは静かに空を眺める。
 心にはいつもたった一人が。
 横には最愛の人から貰った月下美人を置いて。

 

 一枚の絵のような完成された幻想的な世界に俺は踏み込むことも出来ずに、ただ呆然と見つめる。
 彼女の視線の先にある、遥かな未来に俺がいることを祈り。

 

 彼女の美しさが切なかった。

 

 


仄か(ほのか)
光・色・香りなどがわずかに感じられるさま。

愁い(うれい)
悪い状態になることを予想し心配すること。不安。

恍惚(こうこつ)
心を奪われてうっとりするさま。

御伽噺(おとぎばなし)
現実とは懸け離れた架空の話。夢物語。

滑稽(こっけい)
いかにもばかばかしいこと。くだらなくみっともないこと。また、そのさま。

畏怖(いふ)
大いにおそれること。おそれかしこまること。

補う(おぎなう)中世以降の語ではおきぬふと読む(かっこいい)
足りないところに足す。十分な状態にする。

以上、大学2年生になっても読めなかった、意味の分からなかった単語達です(うぉい!!)あはははは。きっと中学生さんには分からないだろう!!!っと勝手に解釈して(うぉい)こんなものを描いてみましたが、「私の方がよっぽど知ってるわよ」とかだったら姉さんは少しショックを受けてみようと思いますorz(はぁ!?)どうにも理数系人間なもんと、ITボケのために感じめっぽう弱いですね。書けません。だから私の小説はいつまでたってもお子ちゃま文体なのですが。知ってる文章しか出てこないのはそのせいです。もう離流様は私の小説師匠様ですからね。これから大いに私が成長していきたい(うぉい)ああああ。無理くさそう。
というわけで、離流様にいただきました!!!!グリブル前提シルブル小説です!!!!シルバーがかっこいい!なんてかっこいいんだ!!あんたそんなにかっこいいキャラだったんだね…。お姉さんは知らなかったよ。お姉さんはずっと可愛くて黒いキャラだと(え?)あははは。まぁかっこいいキャラ認識は少なからずしてませんでしたので、かなりの勢いで新鮮です。すごいわぁ。
しかし、痛いですね、悲恋というか、なんというか。姉さんがグリブルで幸せになることを、私は願うし、そっちのが好きだし(うぉい)あああああそれを考えちゃうと、シルバーが、1人こうなることは分かることで。しかしここまで大きくシルバーが可哀想だ!!!っと思ったことはこれが初めてですね(うぉい)いやずっと可哀想な地位にいたのはたしかなんですが、今までそうだと思わなかったようだね、私は(うぉい)なんでだろう。あはははは。この話を読んであーシルバーが痛い!と知りました。一つ光は漢字の面でも大人になれた気がします(待って)
本当に無理言って描いていただいたのに、快くこんなにもステキな作品を送ってくださったこと、感謝の至りでございます。本当にどうもありがとうございました!!

俊宇 光