一生治らない病気
「…くしゅっ」
「あら。風邪?」
ただ今世間一般夏休み。
しかし部活がある生徒や呼び出しされた生徒、生徒会には夏休みでも懐かしくもない学園と再会するよう仕組まれている…。
そして先程くしゃみを静か(のハズ)な生徒会室に小さく聞こえた。
小さくはあったが隣で自分の仕事をしながら横目でくしゃみの主のことを見ていた彼女は気づいたようで声をかける。
「あのなぁ。くしゃみ一つで風邪と断定するな」
「え〜。だって風邪じゃなかったら『誰かがウワサしてる』とかになるでしょ?それはおもしろくないからヤなの」
鼻をさすりながら声をかけたブルーを見たグリーンは呆れながらも「風邪じゃない」と言ってみる。
それについて彼女は"くしゃみ"で連想するもう一つのことで原因となるファンクラブの方々を思いながらふくれた。
彼女の言葉を聞いて溜息をこぼすと彼はベランダでミニ野球をしでかす会長と体育委員長に彼らの筆箱を頭目掛けて叩きつける。
見事にそれは彼らの頭に命中。グリーンは「仕事しろ」と一言残し、次の瞬間2種類の呻き声が聞こえた。
その声を聞いてか聞かずかグリーンは手にペンを持ち直しまた仕事に向き合った。
「最低でも今日はアイツらが残してる仕事片付けて、アイツらに補習を受けさせなきゃならん。これ以降夏休みを潰したくないからな」
彼女も同意権だが風邪かもしれない彼をこれ以上ベランダで野球ボール、バットをそれぞれ持った
赤い瞳と金の瞳をもった少年達のために働かせるなんてしたくないので願いを実現させるため行動に出た。
ぴたっ。
「なっ!何するんだ!!///」
「何って…熱計ってる以外に何だっていうのよっ」
彼の目の前には青の瞳が大きく見える。もちろん行動に移した彼女にも彼の緑の瞳が近くにある。
そんな状況……。それはブルーが前髪を片手で上に押さえつけて前髪に隠されていたおでこを彼のそれにくっつけた状態。
小さい子どもが親に熱を計られている図が思い浮かぶだろう。
グリーンは突然のブルーの行動に慌てながらもおでこどうしを離そうとはしない。
彼女のやさしさから出たことということを頭の隅で無意識に意識しているのだから。
「あ〜っ。やっぱりちょっと熱があるんじゃない?風邪どころじゃないじゃない!」
「そういえばいつもより顔が赤いし!」と半ば彼女のせいでなってしまったことにも注意を受けるグリーン。
そう言いながら離れると胸ポケットからケータイを取り出し猫をかぶったような声で電話に出た相手に頼みごとをする。
相手が見えないのに両手を組んで「おねが〜いv」と言ってるからその類であるのは確かだろう。
ピッと電話を切るとにっこりするブルー。
「さっ!今から家に帰るのよ、グリーン!!」
ビッと人差し指を彼の顔に向けると強気に言い放つ彼女。
するとタイミングよくフッと黒長髪の人物が現れた。
この学園でも有名な超能力者で理科をうけもち、あとはテキトーにその場をやりすごす(?)ナツメだ。
彼女は長い髪を片手ではらうと横に立つブルーに目を向け呆れながら口を開いた。
「教師なのに何故生徒に呼び出されるんだ…」
「あら、かわい〜い教え子じゃない!お姉さまvvそれに保健室にいらしたんでしょ?ナナミさんにも行ってくるよう言われたでしょうし☆」
図星なのかうっと言葉を詰らせながら「誰がかわいい教え子だ;」と言いながら本題を切り出すよう言った。
「ん〜。それがうちの副会長さんが風邪なのよ。だから家までお姉さまお得意のテレポートで送ってってほしいのv」
ブルーからにっこりとした顔を向けられ、ナツメから「珍しい…。天才といえど風邪などひかんお前が」という言葉をいただき、その場にいながら、慣れているやりとりもボーっと見ていたグリーンがハッと目を見開く。
「おまっ…! レッドとゴールドの仕事がどれだけ溜まってるか知ってるだろうが!イエローとクリスも手伝いに来るほどだぞ!」
「んなこと知ってるわよ。その点は心配しないでv アタシもがんばるし!それに〜…」
たたっとシューズの音を立てながらいつまでも倒れる会長のもとへ行くとぼそぼそと耳打ちし、「ほら」とだるそ〜な顔をグリーンに向けさせた。
「グリーン…。風邪なら帰れ。てかオレの今後の人生幸せがお前にかかってるっぽいから親友のオレのためにも帰ってくれ…(バタ>効果音」
「ほらぁ。会長直々のご命令よv」
確実にレッドの弱みを握っているであろうブルーの笑みに押され仕事を彼女らに託すことを決心したグリーンはナツメに「それじゃ頼む」と疲れたように言う。
「とりあえず無理はするなよ。そこに寝転がってる二名は別にいいがな…。あと終わったら補習監督のマチスに二人を引き渡しといてくれ」
「もう、心配性ねぇ〜。大丈夫!仕事はこのブルーさんに任せといてvグリーンはちゃんと寝とくのよ♪」
彼女の笑顔を確認すると同時にナツメはグリーンにテレポートをかけた。
緊急の仕事(?)を終えたナツメは「まぁ、がんばっておけ」と残すと現れたときと同じようにテレポートし、生徒会室から静かに去っていった。
「お姉さまありがと〜v」とナツメが消えた生徒会室で笑顔のブルーはその笑顔のままベランダの二人のもとへ行き軽く起こして意識が朦朧としている彼らの耳元で明るくしゃべる。
「早く終わらせないとマチスに言って課題増やしてもらうわよ〜。ざっと10倍v」
ただの生徒の言うことならばシカトできるのだが言っているのが教師(一部)でもその名を恐れることのある少女、ブルーなのだから説得力がある…。
しかも相手がマチスなら「ガハハハハハ」と豪快な笑いとともにノリノリで彼女の希望(?)を叶えてしまうだろう…。
頭は悪い!と口々に言われるレッドとゴールドは彼女の恐ろしさを身をもって知っているので笑顔の彼女を前に青い顔をさせてしゅばっと立ち上がり、
さわやかな笑顔をしながら先輩後輩仲良く仕事にペンを走らせた。
その様子を満足そうにブルーは彼らに励まし(…)の言葉をかけながら見守っていた。
数分後にはにこやかなイエローとクリスが生徒会室に入ってきてマジメに机に向かっている自分達の彼氏を見た。
すると「ブルーさん、おはようございます」「仕事早めてくれて助かりますv」とにっこり言い放った。
ブルーは同じくらいにっこりして「いえいえ〜♪」とかえしていた。
「…体調が悪いとは思っていたがまさか熱もあるとはな…」
家に帰ったグリーンはピピピピ…と音をたてた体温計とにらめっこをしながら、少々咳をしながら呟いた。
すると体温計をケースにおさめ、お昼前をさす時計を見てからアイス枕とタオルをもって2階の自室に足を向けた。
「とりあえず寝とくか…」
机の上にある目覚まし時計の10:50を確認すると
アイス枕の上に頭を乗せてふとんをかぶり窓から吹く涼しい風を顔に当てながら瞳をゆっくりと閉じた。
「…静か過ぎるな……」
瞳を閉じてから一時眠りについたグリーンだがまだそんなに時計の針が変わってないのを見て静かな部屋で静かに呟く。
まだ昼間ですぐ近くの家ではしゃぐ子どもの声も小さく聞こえる。
外で遊んでいるであろう子ども達の声はもっと大きい。
そんな昼の生活の中、しかも生活リズムがわりかししっかりしている彼にはとりあえず睡眠欲は残ってないらしく無地の壁紙の天井を見る。
「今はおじいちゃんも姉さんも……ブルーも…誰もこの家にいないからか…。こんな静かなのは…」
あえて一名自分に対抗意識ありありの少年の名は出さず家族を思う。
さみしいなんて彼のガラじゃない。それよりさみしいと感じるヒマが今までない程、彼の家族は彼を退屈にはさせなかった。
だからこそ今頃感じるさみしいという感情。特に。家族の中でも特にそう思ってしまう存在がいるなら尚更思ってしまう。
あの栗色の長い髪、絶えない表情、青い瞳のあの少女がいるから…。
彼が愛しく想うその少女が長い間彼を退屈させず、さみしいなんて感じさせなかった。
しかし、今、大切な家族が出払って、しかも愛しい彼女までいない…。
彼らしくもなく独り言も出てしまう。
「さみしい…のかもな……」
彼の言葉は昼の空気に吸われて消えた。
そして消えた瞬間バタンッと勢いよく(もというるさく)、開いて閉じられたドアの音が聞こえる。
次にドタバタと品があるとはいえない音を立てながら階段を上ってくる人物がいる。
天才と謳われた現在患者なグリーンは疲れていながら暇つぶし程度で誰かを予想してみる。
おじいちゃん? いや、階段上り方は似ているが帰ってくるなりここまで走ってくる体力は…。(ちょいと失礼
姉さん? いや、今頃仕事をしながら誰かと話してるだろう…。(保健室って夏休みヒマなんだものby.ナナミ
…シルバー? いや、アイツはマジメに部活だろう…(姉さんを魔の手から助けるんだ!!by.シルバー
……となると…。残るは一人…。
バンッ。
「ただいま!ちゃんと寝てる?」
彼の考えが終わった瞬間開かれた彼の部屋のドア。
そこからは彼が最後に考えていた人物。予想通り少し息をきらして汗も少し見える。
それでも元気な笑顔で彼を確認する彼女。
「ブルー、仕事は片付いたのか?」
「…あら。自主性って結構大事なのよ?ほとんど自分達でやってくれたわ♪進んでマチスのとこにも行ったし」
彼の問いかけに対し、一瞬きょとんとしながらにっこりと顔を見せた彼女はホホーと笑いながら言ってのけた。
まぁ想像はできていたのか「ミスがなきゃいいんだがな…」と明後日の方向を見て呟くグリーン。
そんな彼のそばにくると「熱は?ご飯食べた?」と2種類の問いかけをするブルー。
「…横になってたんだから少しは下がってるだろう。飯はまだだがな」
「少しでしょっ。それでまた起き上がったらダメよ!それにご飯食べてからお薬飲まなきゃね」
「よしっ」と立ち上がろうとした彼女の腕を病人とは思えない力で自分の方へとひっぱり、
彼女と彼女の小さな悲鳴をを自分の胸で受け止めるとそのまま強く抱き締めた。
「ちょっと〜。患者なんだから病気早く治す方に集中してよ〜〜;」
「悪いな。ただの患者じゃないらしいからな。…もうしばらくこうさせてくれ……」
彼の珍しい頼みごとに目を見張らせると彼女は笑顔になり「しょーがないわねっ」と彼に抱きつき返す。
「グリーン。グリーン。ブルーちゃん。ブルーちゃん」
そんな呼びかけが聞こえたのは時計の針が子どもの大好きなおやつの時間をさすころだった。
その声に目覚めて静かに瞳を開く両名、グリーンとブルー。
結局二人は夏独特の蒸し暑さが残る中ずっと抱きついたままで眠ってしまっていたのだ。
二人の視界に入ったのは…両者の顔のアップ。加えてグリーンの首にはブルーの腕が。
ブルーの腰にもグリーンの腕が回ったまま。
それに気づいて夏独特の蒸し暑さのせいもあって二人とも汗をかいて起き上がる。
まぁ、抱きついたまま眠っていたのを声をかけてきたナナミに見られたということも当然あるのだが。
「ね、姉さん!!///」
「ナナミさん…///」
「もぉ〜二人とも夏以上にお暑いのはいいけどグリーン病人でしょ?どうせ看病してくれてるブルーちゃん引き止めてたんでしょ?ダメよ、せっかく看病してくれてるんだからっ」
2種類の動揺を見せるとその元となった人物はからかいを含めた口調で話す。
これにまた二人はさらに顔を赤くする。
そんな微笑ましい光景をいただくとナナミはにっこりとする。
「あ、アタシおかゆ作ってくるわ!あとお薬持ってくるから!!///」
そう言い残すと腕を解放されていたブルーは顔を赤くさせたまま階段を駆け足で下りていった。
いつも注意している2段飛ばしをしながら下りる彼女の音が残る中ナナミはにっこりとしたまま「それじゃあ、私はこれで保険医として学園に戻るわね〜」と残して
静かにドアを閉め、同じく静かに階段を降りていった。
少しすると下の方で話し声が聞こえる。
おそらくナナミがブルーに後は任せた、と伝えているだけだろう。
話し声が止むと次はドアが開いて閉まる音がかすかに聞こえた。
本当に仕事をしに学園に戻るようだ。
…とすると風邪で寝込んだとナツメから聞かされ、仕事が一段落して様子見にきたのかもしれない。
彼の姉が昔から変わることないやさしさを部屋に置いていくとまたしばらく静かな空気が流れる。
―――オレは多分…。いつもそばにいてくれないと困るのは…アイツなんだろうな…。おじいちゃんや姉さんには悪いが…。―――
そんなことをゆっくりと考えていたら階段を上がってくる音がする。
もうおかゆを作ってきてくれたらしい。すると熱い小鍋と皿、レンゲ、水に薬も少し大きなお盆に乗せてそれに苦戦しながら上がってくる彼女の姿が浮かぶ。
考えながらグリーンはベットから足を出し、ドアまで行くとキィ…と音をさせてそれを開けた。
すると階段上りがあと1段な彼女がきょとんと存在していた。
それを見るとフッと彼なりの笑みを見せて彼女の細い腕で支えていたお盆を軽々ととり、そのまま言葉を残して部屋に入った。
彼女はさらに顔を横に傾けた。
しかしグリーンがすぐさま部屋に入っていったのでそれを追いかけていく。
いきなり言われた言葉に疑問をもちながら。
―――いないと困る。さみしいとかだけじゃなく…。オレが落ち着けれない。ずっとそばにいてくれないと…な。―――
「なぁ?ブルー」
dear.俊宇光さま
えぇと。。。リクが"兄さん、姐さん依存症"だったんですが。。。
それをめざして見事撃沈(やっちゃってるょ
なんかワケがわからないものになってしまいました;;
もうちょいかっこよくしたかったグリーン。。かわいくしたかったブルー。。
こんなのしかできなくてすみませんでした(土下座
ちなみに一生治らないのはグリのブルへの恋の病v(言ってろ
もちろん逆もまたしかりvv
そしてレドくんとゴーくんはいつもこんな役回りでごめんなさい。。(汗
いらないとは思いますが俊宇さまに捧げます!!愛を込めて…。
この度はキリバンで2525番踏んでくださりありがとうございました☆
風 未十璃様にいただきました!!キリリクで、2525番を盗った(おい)時にもらった代物でございます。ありがとうございました!!!いきなりやってきて、いきなりキリバン踏んずけて、いきなりメールしたとんかんちきです(なんだそれ)そんな私のリクエストを聞いてくださって、誠にありがとうございました!!!
リクエストはこの時期大フィーバーだった兄さんの姉さん依存症です。あぁも兄さんめぇええっていう話を見たくて描いてもらった代物だったりします。まさかこのような形で帰ってくるとは!!!もうかなりどきどきものでしたぁ。ほんとにありがとうございます!ありがたく頂戴いたします!!!!
そうですよね!やっぱり兄さんが姉さんを好きじゃなきゃ!!(そこが原点かよ)
ほんとにありがとうございました!!!
俊宇 光
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