「食欲不振。体のだるさ。決定打で熱が37度6分と微熱。病名、風邪」
デートの…
「このブルーさんがんなもんにかかるわけないでしょ!!」 先程つんつん頭の緑目の少年に"風邪"と告げられた顔を少し赤くさせた栗色の長髪少女がベッドの上で反論している。
「今日一日中寝てるなんて冗談じゃないわよ!絶対イ・ヤ!!」
負けじと言い返すブルーに頭をかかえだしたグリーン。
「ハァ…。我慢という言葉を知らんのか」 その言葉にムッとして睨みをおさめてにっこりとしたかわいい笑顔を見せた。少し影のかかったものだったとか。。
少々の睨み合いが続き、その沈黙を破ったのはグリーンだった。
「とにかく…。お前は病人なんだからこれ以上ムリするな。着替えて寝てるんだ」 それでも引き下がらない彼女はムッとしたまま彼に言った。
「っ。…なんのつもりだ」 ポスッと落ちた枕を拾い、タンスに向かう彼女に少し不機嫌に聞く。
「あなたの言うとおり着替えるんじゃない。だから男性の方は部屋から出てってくださ〜い」
ブルーは彼の大きな背中を押して「オイ」という彼の言葉も無視して彼を部屋から追い出した。
「……ひさしぶりのデートだったのに…」
その頬には一筋の涙がつぅっと流れていた。
カチャ。
静かなすーすーという寝息だけが響くだけの部屋でドアノブを回す音が重なる。 ベッドにタオルケットもかぶらず寝ているブルーを見つけるとため息を吐いてベッドまで歩く。
「着替えてもないしタオルケットもかぶってない。…風邪を長引かせたいのか」
少し呆れ気味な口調でいいながら彼女の頬に流れて乾いている涙の跡を手でつたった。 するとくすぐったかったのか少し体を強張らせてからゆっくりと目を開いた。
「グリーン…。」
小さくこぼれた彼女の言葉に「ん?」と聞き返すヒマもなく、彼は寝ぼけた状態の彼女に抱きつかれた。 「グリーン。…グリーン……。グリーン…」
彼に抱きつく少女は途切れ途切れに彼の名を呼ぶ。
「ふぇ……?」
少しして彼女は寝ぼけた状態から抜け出し妙な自分の格好に疑問をもつ。
「よぉ。目ぇ覚めたか?」 「…ぇ。えぇ―――――っ!!?なんでグリーンがいるのよ!?てかなんでアタシ抱きついてんの!?///」
「なんで?!なんでぇっ!!?」と叫ぶ彼女を未だに抱いているグリーンはあえて彼女が寝ぼけていたのを言わず、 「…で?なんで出てったあなたがここにいるのよ…」
お兄さん、それで入ってきたらちょっと不法侵入ですょ。。
「で?お前はなんで寝てるのが嫌だったんだ?」
「………;」
彼の質問で一気に顔をそらし、壁にかけてある時計に目を走らせてから肩の力を抜くブルー。 彼女はきょとんとした顔を向けた。
「……。まさかじゃなくても…デートのことだろ?」
そう。今まで彼女が意地を張って眠りたくない!と言っていた理由。
最近二人は特に忙しかった。
だからここ2週間くらい二人は会う場所は大体家の食事時。
そんな中、やっと二人が休める日が見つかり、久しぶりにデートに出かけようとブルーは楽しみにこの日を待っていたのだ。
「久々に遊びに行けるからといって熱がある状態で行けるワケがないだろう?体調がもっと悪くなるだけだ」
彼の言葉にバツが悪そうな顔をする彼女。
「どうせ予定が合わなさそうで遊びに行けないとでも思ってるのか?」
その言葉に瞳を大きくするブルー。
「お前は明後日くらいで部活借り出されるの終わりだろう?」 「うん」と不思議そうに頷く彼女に次の言葉を伝える。
「オレは1週間後に試合を控えている」
一瞬彼女の瞳が曇った。なぜなら彼の言ったその言葉の意味は「それまで練習がある」という意味がいつも含まれているから…。
「一日中…ってわけにはいかないが練習が終わってからでいいなら付き合ってやる」
そこまで一息で言った彼女の口に手を覆わせると「大丈夫だ」と一言彼女に言う。
「そのことは大丈夫だ。体調管理もしっかりする。それも実力の内だしな。それに…オレがそうしたいんだよ……」
「…グリーン…―――」
グリーンは恥ずかしくて顔を赤くさせてブルーは目頭が熱くなりまた涙を流す。そのせいでまた顔が赤くなった。
嬉しいと表すようにブルーはグリーンにバッと抱きついた。
どうぞ、この次のデートもお楽しみくださいませ。お二人とも…―――――。
。。。兄さん壊れてます警報(遅
遅くなってしまいましたが、相互リンクしてくださってありがとうございました!
by.風 未十璃
俊宇 光 |