ブルー編
日常が非日常に変わるのは簡単なことだと思う。
ふと気付くと、彼の背中を追っている自分がいる。
彼の気配を無意識に追って安心する自分がいる。
その一つ一つの動作が、気になってしまう自分がいる。
出会うべくして、出会ったのかな。今、この時、この瞬間が続けばいい。
不安は全て取り除いていく。たったそれだけなのに・・・。
グリーンの横顔を眺める。仕事に夢中で、こちらには目もくれない。
じっと見つめると、それに気付いたのだろうか、目が合いそうになった。
けれど、すかさず目をそらし、そ知らぬ顔でやり過ごした。
ちょっとだけ意地悪をしてみる。
視線はすぐに別のものへ向けられた。
心の中で、ため息を付く。
構ってほしくてたまらない・・・・・・。わがままな女王様気分。
自分からしでかしたことなのに、ほんの少し不安がつのった。
欲ばかり増えてしまう。
彼の、グリーンのことがこんなにも好きでたまらないのに。
いつも不安が付きまとう、こんなあたしが側にいていいのだろうかと。
必要な人間なのだろうか。
愛している、好きだと何度言えば、この不安は取り除かれるのだろう。
「・・・・・・」
グリーンの背へと足を進めた。
椅子に座っている彼に、後ろからそっと抱きつく。びくっとしたような動きがあ
った。
「・・・なんだよ」と少し不満げな声があがるが、何も言わずただ、抱きついて
いた。
大好きだよって心の中で叫べば、気付いてくれるかな?
今、この手にあるものが当たり前で、やっと手に入れた安らぎでもある。
けれど、その反面失う不安がつのり、少しずつ澱となる。
これがいっぱいになったらどうなるのだろうか?
―そんなの知ったことじゃない。あたしを迷わすな!
そう、自分に言い聞かせた。
ただ、貴方の声が聞きたい。
あたしがあたしでありますようにと。
ずっと、ずっと好きでいたい。この気持ちが消えないように。
グリーンがあたしのことを嫌いになっても、それでもあたしは側にいたい。
・・・・・・居続けてやる。これが本音。
あーあ、やっちまった。後悔先に立たず、ですかねぇ。期待に答えられずごめ
んね。
消化不良。もう、は〜って感じ。
宏くんが書いてくれたグリブル小説第2弾!前回の続き物というわけではないですが、ブルー編です。前回がグリーン視点だったのに対しての、ブルー視点になります。いやぁなんていうか人ってとくに知らなくても、イメージだけで小説って書けるんですね。さすがっす宏くん!!あたしはもうぜんぜんわからないもんの作品なんて絵くらいしかかけないから!!ほんとそういうとこ尊敬します。姉さんの不安定さとか、兄さんのひどさとか(え)ちゃんと伝わってきますよ!!あぁもう兄さんったら!本当にどうもありがとうございました!!またよろしくね!!
俊宇 光 |