Until the when snow is removed
「ひぃまぁ〜」 クリスマスもお正月も、最近の行事はすべて終わった だから当然グリーンも相手なんかしてくれないわけで、あたしはとにかくつまらなくってしかたがない 「ひまぁひまひまひまひ「うるさい」 グリーンが顔をしかめて振り返る 「騒ぐなら他でやれ」 なによ少しぐらい構ってくれたっていいじゃない あたしがブツクサ呟いていたら
「ずっとそこにいられると邪魔だ ここから出てくれ」 と溜め息まじりに一言
「…なっ」 なによ 出て行けとまで言わなくたっていいじゃない…
あたしはここにいちゃいけないの……?
なんだか泣きそうになって慌てて外へ飛び出した 外は肌寒く 雪が降り積もっていた 少し小高い真っ白な丘に身を投げる (気持ちいい…) 程よい冷たさに感じた
空からは絶えず雪が降っている
「…グリーンのバカ…」 自分がわがままなのは分かってる 「追い出すような事言わなくたっていいじゃない……」 グリーンに出て行けと言われた時… (グリーンにとってあたしは邪魔物なのかな…) 今まで優しくてくれたり、いっしょに居てくれたりしたのはあたしのわがままに合わせてくれただけで、本当は…
あたしの居場所はどこ………?
気が付いたら涙が頬を伝っていた
そうこう考えていると眠くなってくる
雪はまだふりつづいていた
(このまま眠っちゃったら死んじゃうかな…)
もしそうなったらグリーンは悲しんでくれるだろうか…
なんだか温かい……
雪の上なのに……?
そういえば、体がかすかに揺れている……
「…ん…」 ハァという溜め息が頭上に落ちてきた
いつの間に寝ていたらしく まだ頭がぼやけている 「グっグリーン?!」 なんでグリーンの顔が目の前にあるの? それに、さっきから動いているのはなぜ……??
「…!!えっなっ、ちょ…グリーンっ」 あたしはグリーンに抱きかかえられていた
顔が熱を帯びて赤くなるのが自分でも分かる
「まったく
あんな所で寝て…下手したら死ぬぞ?」
……えっ?
「……探してくれたの?」 グリーンがあたしなんかのために心配して探してくれたの? 「あたりまえだ、あぁいう形で出て行かれては心配するだろうが…案の定
雪の上で寝て死にかけていたしな」
なんで?
あたしの気持ちを読み取ったのか、グリーンが口を開いた
「悪かった…」 驚いて顔を上げるとグリーンの顔が真っ赤になっていた
「…それってプロポーズ??」 途中から少し声がこわばった
「あたりまえだろっ」
…よかった
少し体を起こしてグリーンの唇に自分のそれを重ねた
「…っ!?」
あたしはグリーンのために生きているんだって思ってもいいのよね…
「…どういたしまして」 赤い顔のまま言葉とキスを返してくる
気が付いたら雪はやみ 太陽が出ていた
「…早く春がくるといいね」
笑顔がこぼれる
春がくるまで… 雪が溶けるその日まで… あたしは夢と期待に胸をふくらませる
END
俊宇 光 |