A present from you
カランカラァン 「おめでとうごさいます!特賞の高級ホテル一泊二日ペアチケット当たりました!」 買い物をした時に店員さんにくじがある事を教えてもらい、たまたま持っているレシートで一回できたのでやってみたのだ 賞品を受け取るとすぐにグリーンの家へ走って直行した
「はぁっはぁっ…グリーンっ」 息を切らせながら部屋へいきなり飛び込んできたためか、驚いたようなだった 「あのねっ、くじでホテルのペアチケットが当たったの」 綺麗なホテルに泊まって、豪華なお食事をして、温泉にはいって、それから… 「少し、資料を取ってくる」 グリーンが部屋を出たあと、あたしは浮かれながら中を歩きまわっていた 「あれ?これって…」 それは、あたしが行きたがっていた映画のチケットだった 日付を見てみると… 「ホテルの日と同じじゃない!」 グリーンが戻ってきた 「あ、いや…なんでもないのっ」 あたしはとっさにチケットをポケットにしまった 「…ならいいが…これから出かけるんだが、お前はどうする?」
もし、あたしのためにチケットを買ってくれたのだとしたら、ものすごくうれしい (どうしよう…とりあえず本当にあたしのためのチケットなのか聞かなくちゃ) グリーンに電話をかける 「……なんだ?」
「……はぁ…本当だったんだ」 本当にあたしのためのチケットだった (そうなると…高級ホテルもいいけど…やっぱり映画かな) あたしにとってグリーンと二人っきりで旅行に行くのはものすごく憧れだった
「…よしっ」
そして土曜日
「グリーンっ」 ドアを開けて思いっきり大きな声で名前を叫ぶ 「うるさいっ鼓膜がやぶれる」 そういってグリーンが顔をしかめながら姿を現す 「あっ、その荷物はいらないからね」 あたしはバックからチケットをだしてヒラヒラとなびかせる あたしはグリーンの鞄を掴んで家の中に放り込み、手をとった 「ちょっ…おいっ」 グリーンの手をひいて急かす 「…っ…本当にいいのか?」 それに、と言ってグリーンに抱き付く 「自分で当てたホテルのチケットなんかよりグリーンからもらった映画のチケットのほうが断然うれしいもんっ」 グリーンの胸から顔を上げて微笑む
「…そうか」 グリーンも顔を赤くしながら微笑んだ
「…それじゃあ行きましょうか」
「……ところでホテルのチケットはどうしたんだ?」
青い空の下、あたしたちは二人顔を見合わせて笑った
END
迷惑メールに追加しちゃってください(涙)
俊宇 光 |