水のせせらぎ様 グリブル小説「A present from you」
 

 

A present from you

 

 

カランカラァン
ベルの音が響き、周囲からはどよめきの声が聞こえる
そして目の前には転がる金の玉

「おめでとうごさいます!特賞の高級ホテル一泊二日ペアチケット当たりました!」
「うそぉっ!!本当に!?やったぁ」

買い物をした時に店員さんにくじがある事を教えてもらい、たまたま持っているレシートで一回できたのでやってみたのだ
くじ運はもともと良くはないのであまり期待はしていなかったのだが
そこで特賞が当たったのだから、その分余計に驚いた

賞品を受け取るとすぐにグリーンの家へ走って直行した

 

「はぁっはぁっ…グリーンっ」
「…なんだ?」

息を切らせながら部屋へいきなり飛び込んできたためか、驚いたようなだった

「あのねっ、くじでホテルのペアチケットが当たったの」
「…よかったな」
「…ってそれだけ!?もう少しうれしそうにしてよ」
「…いつなんだ?」
「えっ?…次の土曜日だけど…」
「…そうか…」
「もしかして空いてない…?」
「いや、大丈夫だ」
「よかったぁ、あぁもう楽しみ」

綺麗なホテルに泊まって、豪華なお食事をして、温泉にはいって、それから…

「少し、資料を取ってくる」
「うんっ」

グリーンが部屋を出たあと、あたしは浮かれながら中を歩きまわっていた
そこで、あたしは二枚の紙が目にはいった

「あれ?これって…」

それは、あたしが行きたがっていた映画のチケットだった
(グリーンがあたしのために買ってくれたのかな…?)

日付を見てみると…

「ホテルの日と同じじゃない!」
「なにがだ?」

グリーンが戻ってきた

「あ、いや…なんでもないのっ」

あたしはとっさにチケットをポケットにしまった

「…ならいいが…これから出かけるんだが、お前はどうする?」
「それじゃ帰ろっかなぁ…」
「分かった」

 

 

もし、あたしのためにチケットを買ってくれたのだとしたら、ものすごくうれしい
だけど、もしそうだったとしてもホテルの日とかぶっているから片方を切り捨てなければいけない

(どうしよう…とりあえず本当にあたしのためのチケットなのか聞かなくちゃ)

グリーンに電話をかける

「……なんだ?」
「あっグリーン、今日そっちに行った特に見つけたんだけど、部屋にあった映画のチケットって…」
「……あぁ、お前にわたす予定だったものだ」
「…予定だった?」
「あぁ」
「…なんで予定なの?」
「ホテルに行くなら、もう必要ないだろ」
「…でも」
「すまないが、今は忙しいから後でかけ直してくれ」
「…うん」

 

「……はぁ…本当だったんだ」

本当にあたしのためのチケットだった
確信すると余計にうれしくなる

(そうなると…高級ホテルもいいけど…やっぱり映画かな)

あたしにとってグリーンと二人っきりで旅行に行くのはものすごく憧れだった
…だけど、何っていったって、あのグリーンがあたしに用意してくれた映画をいっしょに見る機会なのだ
こんな事は次にいつくるか分からない

 

「…よしっ」

 

 

 

 

 

 

そして土曜日

 

 

 

 

 

 

「グリーンっ」

ドアを開けて思いっきり大きな声で名前を叫ぶ

「うるさいっ鼓膜がやぶれる」

そういってグリーンが顔をしかめながら姿を現す
手には旅行鞄を持っていた

「あっ、その荷物はいらないからね」
「…はぁ?」
「ホテルに泊まるのはあたしの気分が変わったため中止になりました!」
「…はぁっ!?」
「その変わり…」

あたしはバックからチケットをだしてヒラヒラとなびかせる
「…それは…」
「そう、グリーンが用意してくれた映画のチケットよ」
「…それを見に行くのか?」
「そーゆーことっ」

あたしはグリーンの鞄を掴んで家の中に放り込み、手をとった

「ちょっ…おいっ」
「いいから早く行きましょ」

グリーンの手をひいて急かす

「…っ…本当にいいのか?」
「なんで?」
「…せっかくホテルのチケットが当たったんだろ?映画なんかいつでも見れるが、そんな事はまたあるとは限らないぞ?…」
「今日行く映画だって同じよ」
「なんでだ?」
「だってグリーンがあたしのために用意してくれた映画に行く機会よ?この事のほうがずっと珍しいわよ」

それに、と言ってグリーンに抱き付く

「自分で当てたホテルのチケットなんかよりグリーンからもらった映画のチケットのほうが断然うれしいもんっ」

グリーンの胸から顔を上げて微笑む

 

「…そうか」

グリーンも顔を赤くしながら微笑んだ

 

「…それじゃあ行きましょうか」
「あぁ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……ところでホテルのチケットはどうしたんだ?」
「…あぁあれならレッドにあげたわよ、イエローと二人でどうぞって」
「…反応は?」
「かなり動揺してたわよぉ顔真っ赤にしながら、イエローと二人で!?って…」

 

青い空の下、あたしたちは二人顔を見合わせて笑った

 

 

END


迷惑メールに追加しちゃってください(涙)
私がこうも文章表現が下手なのは何でなんでしょうか…?私の頭の辞書だとピッタリくる言葉がなかなかないんですよね……その上文章構成も目茶苦茶……
それから、ネタ真似はしてないですっ(焦)
緑青部屋のグリーンが博士から高級ホテルのペアチケットをもらった…というのと似ていますが(小説の内容とレベルは月とスッポン)決して真似はしてません!くじでホテルのチケットが当たったというのは実話をもとにしましたっ、本当です!(泣)


正直そんな話し描いたなぁと言われて思い出したくらい、俺は思いつきで生きてます(笑)
素敵な小説ありがとうございました!!!こんな素敵な兄さんだったらいいなぁと思う今日この頃。姉さんのためにチケット用意しちゃうとかもう!!コノヤロウ!!(ええ)
本当にどうもありがとうございました!!

俊宇 光