水のせせらぎ様 グリブル小説「Greed of the love」
 

 

Greed of the love

 

 

時がゆっくりと流れている

 

 

 

 

 

 

 

目の前には愛しい彼がいて
このゆったりとした時間を同じ部屋でいっしょに過ごしている

 

 

 

それが普通になるにつれて
どんどん「独り」を恐れるようになってきた

 

 

 

少し前まではかけがえのない子を守るために、他人の力を借りなくても何でも一人でやってきた

 

 

たとえそれが犯罪だろうと人を苦しめる事だろうと

 

 

それが今では
目の前にいる人が自分から離れていくことを考えただけで胸が苦しくなる
嫌われたらと思うと涙もこぼれる

 

 

 

 

愛するということを知ってしまった時、もう求めずにはいられなくなる

ずっといっしょに居ることを

愛を与えてもらうことを

 

自分の全てを受け止めてもらうことを

 

 

 

 

 

 

 

「…っ…」

彼の背中を腕で包む

そばに居てもらいたいから
離れていかないでほしいから

ずっと

ずっと…

 

 

 

 

 

「…ブルー?」

怪訝な顔をして彼が振り返る

 

ごめんね

うっとうしいよね?

ごめんね

でも

どうしてもやめられないの

あなたを愛することを

あなたに愛してもらいたいと思うことを

 

 

 

「…大丈夫か?」

心配そうに顔をのぞきこんでくる

その問いには答えずに、ただ彼の背中に顔をうずめていた

小刻みに肩が震えている

 

「……ブルー…」

 

そう言うと彼は体に巻きついている腕を解いて、震えている体を自分の腕の中にしまいこんだ

「…どうしたんだ?」

優しく頭をなでてくれる

 

「…グリーン…」

「…ん?」

「…しばらくこのままでいさせて…」

「…あぁ」

 

彼の胸に顔を押しつける

 

「…ブルー」

「…なに?」

 

 

 

 

「俺は一生お前のそばにいるぞ」

 

 

 

 

「……うん」

 

 

悲しくなんかないのに、いつの間にか泣いていた

 

END


成長ゼロのブルー視点小説です。本当はグリーンから見たグリブルを書いてみたいんですが、どうしても変になってしまって今の私にはムリでした(涙)でも、いつか絶対書いてやりますとも!!(勢)

こんな小説にお付き合いしてください、ありがとうございました。次こそ(次あり!?)上達するように努力します。


あたしも昔はグリーン視点って描けなかった。大変なんだよなぁ、あの兄さんの心情を理解するのはなかなか至難の業っす。一緒に頑張りましょう。
素敵グリブル小説を毎回ありがとうございます。シリアスチックな姉さんのちょっとした不安を表現していただいて、こういう感じの話がすごく僕好みなので、見ていて楽しかったです。あたしの描く話のテイストと似ているので、うちに来てくれる人は好きだといいなぁ。俺は好き。
ありがとうございました!

俊宇 光