言葉にできない思い
 

 

言葉にできない思い

 

ここはキャッスル内の中庭。
今は放課後。
授業も終わり、ただ夕食の時間を待つだけの時間帯。

そんな時、私フィーリーは、自分の彼氏、ティトを発見する…。

「…」
彼は、中庭のベンチにただ座っていた…。遠くから見ても分かるくらいに不機嫌で。

「よし」
私は少し戸惑ったが、声をかける決心をつける。
「…ティト?」
私はそっと、彼に話しかけた。
「…フィーリー…か…」
少し不機嫌そうな顔で私を見上げる。
どうしたのだろうか…。かなり浮かない顔…。
「何かあった?」
そう聞いてみる。
「べつに」
ティトは私から目線をそらす。
うそつき。絶対何かあるでしょう。
「…うそつき。そんな不機嫌なオーラ出してて何もないわけないじゃない」
ちょっとふてくされたように言い返す。
「べつになんでもねえーよ」
あーめんどくせーとでも言わんばかりの対応。
「嘘!!絶対なんかあったでしょう。何があったのよ!」
少々腹が立って向きになって言い返してしまった。
「うるせぇーな、お前に関係ないだろ!」
あんまりにもくどくど聞くもんだから、帰ってきた言葉は怒りの言葉。
…私は思わずびくっとする。
「…」
私は何も言えなくなってしまった。
その場を言いようのない沈黙が包み込む。
感じるのは、風の流れと、ティトの不機嫌なオーラだけ。
「…」
ティトも何も言おうとはしない。
少しは怒鳴ったことに対して悪いと思ったのか、ばつの悪そうな表情を浮かべている。
「…」
どうしたらいいか…分からないけど…、私は少しでもあなたの力になりたいんだよ…。悩みがあるなら言ってよ…。嫌なことあったなら愚痴ってよ…。全部自分で抱え込まないで、少しは私を頼ってよ…。
って言えたらどれだけ楽なのかな…。
「ティト」
私は彼の名前を口にする。彼は渋々顔を上げてくれた…。

言葉に表すのは簡単なようで難しい…。でも、届いて…私の気持ち…。

「!?」
私はそっと、彼の鼻の頭にキスをする。
「…どうしたの?」
そっと唇を離し、さっきとは違う、優しく、それでいて包み込むように、彼に問いかける…。笑みを浮かべて…。
「…」
彼は、少し力が抜けたように、私の肩に頭を乗せてきた。
「ティト?」
私は不思議に思いながらも、しっかりとティトを受けとめて、抱き締めてあげる。
「…わりぃ…まじでなんでもねぇーんだよ」
決してあなたは抱き締めてはくれないけど、そう、耳元で囁いてくれた…。
「…そう?ならいいけど」
私はしっかりと彼を抱き締めて、そう言葉を紡いだ…。
それ以上は聞かないよ…。あなたが大丈夫だって言うならば…。

でも…たまには、こうやって頼ってねティト…。

 

Fin


あとがき

どうも、俊宇 光です。なんでか書く羽目になったティトフィーです。初めて書きましたね。これから書かなきゃいけないんですけどね。何故か彼女の鼻キスの絵を見て思いついた作品です。もう書き手の性がばりばりですね。どうしたもんか。イラスト1つでここまで考えるかね?
まぁー自分は結構こいつは好きかな?かっこよくかけたと思ってます。でもやっぱティト本人にはほど遠いかな?うーん。どうしたもんか。まぁーいちおこれはティトフィーってことで、彼氏彼女の関係になってからの話です。ティトは絶対1人でため込んでそーとか思って書いてみたり。どうなんだろうな。かなり唐突な話なんで無理があるのは気にしないでください。
それにしてもいったいティトには何があったんでしょう(謎)